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砂絵

Book ネイティブ・アメリカン ナバホ「射弓の歌」の砂絵

著者:フランク・J. ニューカム,鈴木 哲喜,グラディス・A. レイチャード
販売元:美術出版社
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    そこでは音楽が鳴っていた

    沈黙の音楽 太古のリズム

    太陽の矢が僕の額を射抜いた時

    砂時計の砂が

    大地に

    永遠のように散らばった

   

    <きっと命はここで始まり これからもずっと続いていくだろう>

    

    黙示のような夏の雲の下

    ユージンとリエコが祈る

    ナバホの祈り ナバホの聖

    爆心地から遠く

    広島の八月

    

    目を閉じて

    僕は記憶を取り戻した

    野牛だった頃のこと

    鷲だった頃のこと

    ひび割れた大地に降り注ぐ

    虹色の

    雨だった頃の記憶を

   

    <そうさ、ユージンここはU・S・Aなんかじゃないよ>

    

         遠く

    金色の岩肌に陽射しが陰り

    この惑星の

    裸を愛撫する

    僕ら

    風紋の砂絵ー。

 

 私がナバホの居留区を訪ねたのは1989年だから、17年も前のことになってしまった。大学の頃企画したイヴェントを通して知り合った、ナバホ族のユージンさんと、また彼と結婚した広島出身の女性リエコさんを訪ねての旅だった。何日頃、と漠然とした約束しかしなかったのに、アメリカ中を忙しく走り回る二人とあの広い大陸で会えたことは、これまでの私の人生の中で起きた奇跡の一つである。若気のいたりとはいえ、突然、訪ねてきた若者に、二人はとても優しかった。

 あの頃から比べるとアメリカ・インディアン=ネイティブ・アメリカンの文化は随分と広く受け入れられるようになったかに見える。私が訪ねた翌年封切られた映画『ダンス・ウィズ・ウルヴズ』の影響が大きかったように思うが、しかし、現地で生きる人々の実情は、明るい部分にのみ光が当てられてしまった分だけ、さらに辛い状況にもなってしまったようだ。

 勿論ただ1度訪ねただけで彼らの置かれている状況に何かを言う権利は私には全然ない。しかし、彼らの歴史に起きたことは、今、現在、地球上で起きている全ての問題の始まりだったわけだし、また逆にそこを生き延びたかれらの知恵の中に未来へのヒントがあると思える分、これからも意識し続けたいと思っている。

 このネイティブ・アメリカンの文化やニュースを伝えてくれる素晴らしいブログがある。元雑誌『宝島』や『ポパイ』の編集長で、現在、先住民族の研究家にして紹介者の北山耕平氏の“Native Heart”である。今ならリンクをたどって行くとネイティヴ・アメリカンの神話を題材にした可愛いアニメ『レイヴン テイルズ (ハゲワシ編)』が見れますヨ。これNHKとかでやってくれるといいんだけどなあ。またテレ東にでも電話してみっか。。Web環境が万全な方は是非。

 

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Winter breath

Mangetu1_1   昨日の記事、月のカレンダーにリンクできるようにしておいたの見てくれた人います?これを使うと、例えば、自分が生まれた日の空にどんな月が出ていたのかとかが分かるので面白いんです。このブログを始めた一番最初の記事にちょっと書いたけど、私は三年連用日記というのを毎日毎日苦行のように書き続けて6年目ですが、その日記とこの月のカレンダーを併せると、自分の精神のバイオリズムと月の満ち欠けに一つの法則が見出せるから、驚きます。人間といえど宇宙の一部であるからには、心身ともにその影響があるのは必然ですが、どうもどんな月の時、どんな状態になるのかは個々に違うらしいです。それでも、満月の日に事件が多いとの統計があるようです。先日、私の友人が亡くなったのは満月の次の日の夜で、これから満月よりちょっと欠けた月を見るたび、そのことを思い出してしまうかもしれません。

 宇宙の一部といっても、そのことをいつも意識して生きている人なぞそうはいないでしょう。ただ、仕事や家事やお金の心配など色々面倒の多い人の世ですが、一息ついて月を見ると、月のサイクルが魂をチューニングしてくれるような気持ちになりますよ。まあ、太古の昔から人間はずっとやってきたことなのでしょうけど。

   

                   満月が

         裸の木々を影絵にして

         冬眠する獣たちの寝息で

              冬の静けさは

               できている

 

  亡き友人にこの短い詩を捧げます。音楽が終わった後に聞こえてくる音楽にあなたはなりました。ゆっくりおやすみ下さい。

 皆さん、月を見ましょう。(雨の日はリンク先のカレンダーで。)

 

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猫の悪夢

     

                    猫の夢の中で

                    俺は嫌なやつだった

                    集会で虚偽の報告をさせたり

                    魚屋で秋刀魚を盗んでこさせては

                    それを隣の家の猫の仕業に見せかけるよう

                    命令したりした

                    毎日、凄いプレッシャーをかけた

                    猫は踏み切りに佇んで

                    遮断機をじっと

                    見つめて

                    いた

    

                    電車が走り抜けた

  

                    まんまるの眠りの猫が

                    ビクン、と驚いて目覚めるのを

                    見たことがある

     

                    今夜は下弦の月

         

                    塀の上で猫は

                    つくずく人間でなくて良かったと

                    思っている

       

                    猫は

                    あまり

                    俺に近づかない

 

  今夜は下弦の月です。あいにく天気が悪くて私の住む町では見れません。そういえばこの前、夜中、家の近くのスーパーの駐車場で猫の集会を見ました。 本当に真ん中に一匹で、周りを他の猫が取り囲んでいました。寒空の下、何、発表してたんだろう?興味深い・・・。

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La Mer 

 

     冬の海の
     深い藍色の叫びと
     びゅーびゅーと荒ぶる風の魔力に捕らえられ
     巨大で
     美しい絵の中に閉じ込められた午後は
     駆ける砂の上に
     人類の痕跡はもはや二人の足跡だけで
     目の端をかすめ行く太古の舟は
     地動説の水の淵に
     今、零れ落ちるところ

     風に暴かれた貝殻の墓地よ
     濡れて滴る水彩の空の青の下
     万物は
     目に見えない生の時間が
     結実しもたらした色とかたち
     闇と光
     眠りと波
     自然とは偶然の出来事じゃなく
     たとえば
     無限の砂の一粒にさえも
     凝らされている精霊の意匠
     その込められた熱意の激しさにおいては
     平等だ
     幼い君の
     柔らかく黒い髪も

     海は女だから
     私は君から生まれた
     海は女だから
     私は君と交わり 君を授かった

     沈黙に秘められた未知の和音(コード)を
     探り当てようとして波は砂にその指を広げ
     太陽の中で煌く炎の都市が
     爆発するたびに揺れ動く水の地球
     言葉は釣りそこねた魚のように
     影になり逃げるから
     君の心に
     海は
     轟くばかりで まだ何も語りかけぬまま

     海が知っているのは 彷徨う風の行方
     海が知っているのは 輪廻する空の記憶
     海が知っているのは 死に逝く月の遺言
     海が知っているのは あの鳥が目指す国
     海が知っているのは 眠る海亀の見る夢
     海が知っているのは 人が攻めぎ合う愛の領土

     だが君の内部で息潜める未来の種と
     その咲く花の色を海は知らない

     うねる海原に散らばる銀の
     割れた鏡を拾おうとして
     君が触れるのは
     初めての孤独
     真新しい孤独

     それから眠くなりまどろむ君の目を
     射抜いて飛び去る
     錆色のカモメと
     今日の日没の
     最後の一滴ー

 

昼間は暖かいと思っていたけど、夜はやはり寒い。柚子湯に入って寝ます。おやすみなさい。 

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