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星の村で

 

 血の濃さをして震え走る故郷の川よ
 冬の神話の夜空の奥から
 艶っぽい月を盗みさらって
 翡翠の肌を
 さらさらと水面で愛撫している

 (すると そのすぐ隣で)

 ふわりと柔らかな
 墨汁を零した夜気のベールを
 激怒した風が
 金切り声上げ
 真一文字に切り裂く 枯れたすすきの野辺

 流星は子午線をなぞり 死んだ女の影を連れて
 追憶の木造校舎の音楽室で
 ぎしぎし古い
 オルガンが鳴る

 腕の良い職人のように
 村人達は早くに眠ってしまった
 違和を予感し 私は
 箪笥の晴れ着の匂いの土地を

 嗅ぎ回り
 デラシネの目の犬

 掌に月の肌を汲み
 口に含むと
 知覚過敏の奥歯にしみる

 除夜の鐘の音

 新しい時間の渦に投げ出され 故郷は
 微かに崩れ
 やがて見知らぬ
 物語となるー

 

 

 

 今夜は満月です。厳密には昨日ですが夜空のそれはまん丸。今回、帰郷して一番感動したのはほんものの闇の暗さ。暗いというより、もう“真っ黒”って感じでした。近くのお寺まで除夜の鐘をつきに行くと時、子供たちも怖がっていましたが、その分、星がきれいでした。月明かりや星の光を頼りに歩くなんて、都会じゃ贅沢なことでしょう。寒さの中、帰宅後、熱燗が身にしみました。 

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