Stone Buddha
金色の花粉は
静寂の中をスローモーションで
やがて
印画紙の季節に色彩を施す
強く緑が匂う森に <そこだけ明るく陽の当たる>
密やかに息づく
野生の庭園。
風の催眠術師の命によれば
私はここで石仏になり
花々の国の栄枯盛衰を
未来永劫
見続けることになるいうのだが。
地を覆う獣の群れ
その夏の性的な叫び声よ
葵の空の滴りに
鷲摑みにしたノースリーブの腕
きりもなく愛はとろけ合って
真昼のシーツ
反り返る 喉のカーブ
愉悦の草を這う
ヒンズーの蛇よ
不滅の人の瞬きの間に間に
花は流れ 人は滅ぶ
その葉脈と
幼子の血の中に
濃い遺言の文字を刻んで。
鐘が鳴り
千年が瞬時に過ぎ去る
夕暮れの夢から醒めてもまだ
命はくっきりと私の形して大地に在る
麻酔のように夢から漂いくる
花々の香りに
祝祭のような今を
絶え間なく
葬られながら。
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