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曇り空のジャズ

51qdn2e9zpl_2   鈍よりと曇った土曜日。いつものように早朝4時半頃目が覚めた。この前、『メールの返信時刻見ると、凄く早い時間に書いてくれているみたいだけど・・・・』と、ある人からメールを貰ったが、ご心配無く。返信メールを打つために早起きしてるのではなく、早く起きてしまい、やることがないからメールを打ったり、ブログを書いたりしているのだ。

 我が家の新聞配達は毎朝、きっかりこの4時半にやって来る。家の郵便受けは良くあるドアに差し込んで郵便物を落っことしていくタイプのやつなので、待ち構えていて、新聞が“スッ”と差し込まれたのを、内側から“ぎゅっと”引っ張ると、ビクン!!と相手の驚きが新聞づてに伝わってきて、それで、タタタタタタタターーーーと、走り去る足音が遠のいく。恐怖の実験。毎朝の儀式。今日も快調。

 で、メールの返信やブログのエントリーを書いて、新聞のスポーツ欄と番組欄のチェックをしてしまった後、どうするかというと、これがまた寝てしまう。快楽の2度寝。そして、この時は眠りが浅いので、ヘンテコな夢を必ず見る。絶対、見る。先日、エントリーした詩もこの時間の夢の産物である。

 で、今朝の夢。私はあるアーチスト(画家、もしくは映像作家みたいな人)に一羽の小鳥を貰う。私はアーチストに『お前は前世からのカルマで、この鳥をあるところまで手で持って運んでいかなければいけない。』とか言われ、大いに使命感に燃えて、細く険しい道を小鳥を掌に包み込むように持ちながらひたすら歩き続けている。(お祈りしているようなポーズになる)。雨や日照りに合い、大変な道行だが、途中、私は何故か、散弾銃を持ち、ベトコン兵の格好をした宮沢りえちゃんに遭遇する。彼女は『その小鳥をこっちによこしなさい。』と,銃身でちょいちょいしながら、凛々しい口調で私に言う。私は恐怖に駆られ彼女に鳥を渡そうとして、見ると、鳥はコバルト・ブルーに変色していて、その上、りえちゃんはつかみ損ねて、鳥は空に飛んでいってしまう。鳥はゆっくりと、ゆっくりとスローモーションで羽ばたく。そして、鳥が羽ばたく度に曇り空が見る見る晴れていき、鳥はぐんぐん空に上昇していく。それで太陽が顔を出した頃、鳥はパっと消えてしまった。りえちゃんはいつの間にか綺麗なチャイナ・ドレス姿になっていて、『やっと、終わったわね。』と、優しく言い、私はほっとして、そこで目が覚めた。これが今朝の夢。

 この夢を受けて今日、一日中聞いていたのがこのアルバム『cure jazz』ua×naruyoshi kikuchi。去年の夏リリースされた、日本ジャズ史上に残る名盤。多分。3曲目の『Overe the rainbow』、呆気に取られ、言葉を失う。恥ずかしながら私はこの菊池成孔という人を最近まで知らなくて本作で初めて知った。

 で、この人、私にとって、やっと見つけたって感じ。何がって?・・・・この人日本のジャック・ケルアック・・・・・・と言うか21世紀初頭日本発・最新型ビートニクス・・・・ホントだよ。

 歌舞伎町のマンションの最上階に住み着き、サックス・プレイヤーにして文筆家、あらゆる分野についての膨大な知識。東大で教鞭もとっている。チャリー・パーカーとジャック・ケルアックとチェット・ベイカーとなんとかとなんとかとなんとかを足して幾つかで割って、それで、全部中途半端じゃない人。ワカンねえよな、こんな紹介。著書に『スペインの宇宙食』、『ロックとフォークのない20世紀』、『CDは株券ではない』、『東京大学のアルバート・アイラー』等があり(雑誌で『武器だけが買えない、この国の男たち』ってのを読んだ。)、このブログで、ロックとフォークのことしか書いていない私は著書名だけでカウンター・パンチを浴びた。自分で音楽の学校も主宰していて“ペンギン大学”というらしい。なんか、縁を感じる。

 “俺のことは、日曜日の午後のジャム・セッションでろうろうとブルースを吹きまくるジャズ詩人だと思ってほしい”って、これジャック・ケルアックの詩集『メキシコ・シティ・ブルース』の序文だが、この人は本当にサックスを吹く。そいで、ジャズの長いフレージングみたいな饒舌な文章も書く。詩も書く。このアルバムはジャズのスタンダード・ナンバーとオリジナル曲の両方が収録されているが、ライナーノーツの文章(これが超かっこいい!!)の他に、このスタンダード・ナンバーの対訳も彼がやっている。

  

  いずこの空も宵闇に冷たい光を放つ月は月 しかし

  チェニジアの夜に輝く月ほど眩しきものは無し

  

  賢者のみぞ知る 幾万の星満天に輝けど

  チェニジアの夜に輝く月のみが砂漠で其方を導かん

  

  寝物語に言葉ついえぬ 

  エキゾチックすぎて

  いにしえの時を刻んだ世界にて

  夜ごとに夜は深まりゆく

  

  真昼の煩い消えうせる頃 日の終わりが解放をもたらせば

  素晴らしきはチェニジアの夜

  静寂に満ちて       

  

      『チェニジアの夜』 対訳 菊池成孔

 

 意訳だと思うけど、かっこいいでしょ。その他にもオリジナルで『夜が明けない星のための音楽』っていう彼の詩もあるが、それなんか『メキシコ・シティ・ブルース』にコーラスx番って入っていても分からない感じだ。

 と、菊池成孔のことばかり書いたが、ジャケットのタイト・スカートと網タイツ以上にUaのボーカルがSexy。こんな天気の日は、湿ったベッドで一日中ごろごろして、できれば美女といちゃいちゃしていたくなる。人肌が恋しくなる、そんな声。何故、ジャズって曇り空とか雨の日とかに聞きたくなるのだろう?。

 Ua、最高のボーカル・パフォーマンス。

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音楽コラム(89)」カテゴリの記事

コメント

― ロック恐るべし ―

ちょっと昔、“モーターヘッド”の誰かさん曰く、

「いままでのロックバンドで本当に偉大なバンドは“3つ”しかいない。
ビートルズとラモーンズとAC/DCと、そしてこの俺たちさ!」

「・・・」

昨日も今日も明日も仕事で機嫌が悪い。しばらく休みが無い。
こんなとき私はあまのじゃくになる。


投稿: jazz坊主 | 2007年2月18日 (日) 21時02分

残念。君のおかげでまたジャズを聴き始めたというのに(涙)。機嫌直ったら、なんか良いの教えて下さい。

 

投稿: ナヴィ村 | 2007年2月18日 (日) 21時27分

JAZZのことを書き出すと止まらなくなりそうなので
『キチガイの詩』をひとつ発表する。題名は無い。


虚言で出来た処方箋

俺はヤク中

人格は錠剤の色で決まる


皆が俺を賞賛する

あいつには勇気がある

恐怖を感じられない人間に安神は要らない


横たわる常人の屍

お医者さん 

リスパダールは 俺に合わない


皆が俺を褒め称える

あいつは紳士だ

不安を感じられない人間に悩みはごとは無い


俺は調子に乗る

虚構の報酬を貪る

作られた自分と本当の俺との区別もつかないで


効き目は薄れて 睡眠薬で夜を更かす

手段と目的の区別がつかなくなる

本当の恐怖が訪れる


心の痛みが 戻ってくる

絶望と混乱に襲われる

それこそが 本当の俺だ!

投稿: jazz坊主 | 2007年2月18日 (日) 23時01分

コメントに対する返信て、リアクション芸みたいなもんでさ、で、この詩、リアクションするのに少し滞空時間がかかったよ。と言うのは内容そのものより、俺、自分のこと言われてるみたいで考えちゃったんだよね。中の幾つかの言葉にね。
 
 『パリ・テキサス』にハイウエイに向かってなんか絶叫してる奴出てくるジャン?この詩、ポエム・リーディングするとしたら、ああゆうシチュエーションがいいかも。

 バックの音楽はロックとかジャズじゃなくて、クラシック。バッハだな。それもシュバイツァーが演奏している奴。(アフリカに行ったあのお医者さん、本当はパイプ・オルガンの演奏家でもあって、CDも出てます。外国じゃそっちのほうが有名。)

 医者だからさ、癒されるかもよ。

投稿: ナヴィ村 | 2007年2月21日 (水) 21時31分

ブログのテーマとは関係ないんだけど・・チュニジア料理おいしいですよ。イタリア料理のようでもあるけど、クミンなどのスパイスが多様されていて、フレンチにまけないくらいのワインも作られています。しばらく凝って、再現してみたんだけど、日本の材料は香りがおとなしくてやさしい味になってしまいます。でもそれはそれで文化の融合なのかな、って思ってみたりして。マルセイユから船で渡るコースがおすすめだそうです。

投稿: mimi | 2007年2月22日 (木) 12時51分

 『チェニジアの夜』って曲があるってことは、西洋の人にはきっとその名前だけで、エキゾチズムが喚起される地名なのでしょうね。日本人には分からないそういう場所ってきっとまだまだあるんでしょう。“モザンビーク”とか“タンジール”とか(ディランの歌にあります)。
 チェニジア料理ってイメージできない(笑)でも、mimiさんが美味しいっていうんだから、美味しいんでしょう。スパイスの効いたイタリア料理と言う感じなのかしら。今度、どっか喰いに行きましょう。

 

投稿: ナヴィ村 | 2007年2月22日 (木) 21時00分

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