花
風に震える花は
吸い上げる葉脈の水音に
命の声を聞く
春の嵐の雲の切れ間に
太陽の
逆巻く髪を捜しなが
花よ 無情に延びている直線の地平は
実は球体であなたを支えている
花よ いつか風にさらわれたあなたの種子たちは
国境を越え
アスファルトの裂け目密かに芽吹いている
花よ 激痛とともに手折られたあなたの半身は
旅人の手の中で 今
彼の意固地な魂をそっと癒していいる
花よ 泣いてはいけない 昨日の輝きが
ただ未熟さゆえのことと知った今でも
時間の無い世界では
産声から念仏までの
生まれてから老いていく
命があるだけ
まして輪廻など
ただ一度きりの
自分がいるだけ
風に震える花は
その痛みの記憶を
愛の磁力に変え
強さに変える
自惚れた神々が気まぐれにもたらした
その美しさを
なんとか 散らさまいとして
今日は立春。暦の上ではもう春です。近頃は異常気象なのか、暖かい日もありますが、朝夕はまだまだ寒い。私は実は一年の中でこの時期が一番苦手。なんかバイオリズム的に良くない感じがします。ま、Hold onってことで。
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