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夜桜

20070407222427

  赤い鼻緒がぷつりと切れた すげてくれる手ありゃしない

 桜の樹の下には屍体が埋まっている!by梶井基次郎。カックイイ。元女郎、じゃなかった基次郎(打ち間違いで出たのが余りにおもろかったので残しました。)大好き。直太郎の『さくら』以来、二匹目、三匹目のどじょうじゃないけど、この季節、“卒業”とこの桜を引っ掛けた曲が多く作られて、おぇっ、下らねえっと、鼻白む日々を送っていました。で、それらの歌に何が足りないかと言うと、それは“狂気”の一言に尽きます。“僕はそばにするよ~、君はうどんにしな~”みたいな。下らねぇ。そう言えば、窪塚洋介が出てた映画に『凶気の桜』ってのがありました。彼が、やはりその頃主演したもう一つの映画『ピンポン』の中のワンシーンよろしく、“I can fly!!”する前の作品です。日本アカデミー賞主演男優賞受賞の時のスピーチで窪塚は、『正しい日本男児になりたい』とかなんとか言っていましたが、オーライ!その狂気、君は間違いなく日本男児です。

 その辺の事、元女郎じゃなかった基次郎(しつこい!)は凄い。日本人にとって“桜”という花がどんな風に心象に働きかけるのか、ちゃんと知ってらっしゃる。そう言えば去年読んだ『憲法第9条を世界遺産に』という本の中でも、爆笑問題の大田光のかみさんは桜を見ると情緒が不安定になるといったようなことが書かれていた。そうか、毎年、桜の下で花見して、気が狂ったようになっているおっさん達は、ただ民族のDNAにリモートされてるだけなんだな。そう思うと、皆、陽気な右翼に見えてきました。

    置いてけ堀をけとばして 駆け出す指に血がにじむ

 さて、今朝は先週、見ると言っていて実は見ていなかったリヴ・タイラー主演の『魅せられて』をやっと見ました。実は私、彼女の映画って全然見たこと無くて、またこれがどんな映画なのかも良く知りませんでした。情報によると今年?映画化される『コインロッカー・ベイビーズ』にこのリヴ・タイラーが出るらしく、興味を持っていたところ、レンタル屋のワゴンセールで100円で売っていてそれで買ってきたのです。監督はベルトリッチ。いわゆるこれは“ロスト・バージン”もの(そんなジャンルあるのか?)で、向こうのアイドルみたいな姉ちゃんがその過程で、成長するみたいな、それで、見所はそのシーンだけで、後は馬鹿みたいなストーリーで駄作・・・・というのが定石なんだけど、これは違った。さすがベルトリッチ。ようするにこれは素材に惚れぬいた監督による極上のプロモーション・ビデオのような映画です。でもリヴ・タイラーの美しさだけで成立してしまっているような映画に見えて、実は深い計算がちゃんとありました。なんでもベルトリッチは、“モーツアルトの音楽のような映画にしたい”とか言ったらしくて、ふーん、彼にとってモーツアルトってこんなイメージなんだ、っと思ってしまいました・・・・・・でも、このリヴ・タイラー、美術品のような美しさです。とても、あんなおやじから生まれたと思えません。(嘘嘘、エアロ・ファン、おやじも大好きですよ!)

 今日は、私達夫婦の共通の友人であるジミーさん夫婦の結婚十周年パーティーが催され、招待されていたのですが、私はあいにく仕事で行けませんでした。(ジミーさん、奥さん、おめでとう!) しかし、妻と子供達は出かけて行き、私は本当に久方ぶりに、夜、一人になりました。畜生、皆、今頃パーティーか・・・それで、しょうがなく、一人何をして過ごしていたかというと・・・・・酒、桜、美女と二人の花見・・・・・・・・っていうのは得意の妄想です。

 だって、雨が降ってきてしまったんですもの。

 さくら さくら いつまでたっても来ぬ人と 死んだ人とはおなじこと

 で、結局、また野球中継。って、残念そうなトーンに聞こえるかもしれませんが、そんなこたあありあせん。巨人VS阪神。結果は4対3で阪神。9回裏の藤川球児VS小笠原。見ごたえありました。実はこの二人、今の野球界で私が最も好きな選手です。藤川球児って昔の水島新二の漫画“藤村甲子園”に見えませんか?(って知らないか)。1/1000秒で彼の投球ホームが映し出され、だいたいキャッチャーにボールが届くまでに彼が投げる球は40回転するらしく、これはボストン・レッドソックスの松坂と同じとか。(昨日、松坂、大リーグ初勝利でした。)まさにこの勝負、投げる方も打つほうも侍で、小笠原も気合入ってました。小笠原は髭を剃ってから今日始めてかっこよく見えました。軍配は小笠原でピッチャーライナーが抜け、センター前ヒット。藤川にしたら次のスンちゃんに一発打たれたら、逆転サヨナラのピンチ。しかし、ここは抑えてくれ何とか巨人の連勝を阻止してくれました。私は、この緊迫したムード、ベースボールの快楽、なんだか急に酒が飲みたくなってきたのですが、もしかしたら、かみさんと子供達がどこそこまで車で迎えに来て、なんて連絡してくるかもと考えると飲めません。しかし、こんな時飲めないと、息が苦しいように苦しいもので、テーブルで一人もがいていると(アル中かよ)水槽の中の金魚くんも水面に向かって口をパクパク。普段はもっぱら娘が面倒を見ていて、やったことはないのですがこんな時だけ親近感を感じ、パラパラと餌をやりました。で、一緒にお口もパクパク・・・・・しかし、早く帰って来ねーかな。

 さくら さくら はな吹雪

 予想より1時間遅れて、かみさんと子供達は戻ってきました。案の定、電話があって車で迎えに行き、家で降ろすと、私はコンビに直行しました。酒、酒、さけーーーーっ!!酒とつまみを買い込み、少し離れた駐車場に車を置き、歩いていると、近所の幼稚園の園庭に咲いている桜がきれいです。息子は良くこの幼稚園の前にある公園で野球をやっていてボールがこの園庭に入ってしまうらしいのですが、この間、この桜の樹の下を見ると大きなカラスが一匹死んでいたそうです。なんか、ポエジー感じる話。小雨交じりにめげず携帯で写真を撮っていると、ひらひらと桜が数枚、私の顔に降ってきました。

 燃えて燃やした肌より白い花 浴びて私は 夜桜お七

 ビールと酒を飲むとやっと震えが止まりましたじゃなくて、落ち着きました。小雨の中、ライトアップされた桜もなかなかおつでしたが、明日、もし、天気が悪くなかったら改めて夜桜見物でもしようかと思います。でもカラスの死骸は見ないでおきます。

“桜の樹の下には屍体が埋まっている!これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなに見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二、三日不安だった。しかし、いまやっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。” 

                   『桜の樹の下には』 梶井基次郎

 

桜の花で情緒不安定な美女(出来れば躁状態の方)、夜桜見物しませんか。でも、おいらに惚れるあまり江戸中を火の海にするのは・・・・・・・止めてくだせえ。

BGM 『夜桜お七』 作詞 林あまり 作曲 三木たかし 歌 坂本冬美                          

 

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コメント

今年のハワイアンズの桜は咲きが悪くて、我が家から見える裏の山もライトアップされているものの花が咲いていません。どうなっとるんじゃ!!平の松ヶ丘公園は満開だっていうのに…。

投稿: ほぴ村 | 2007年4月10日 (火) 00時03分

あの山では昔、炭鉱の事故で確か数人、亡くなっている。明治か大正か、たしかその頃・・・。以前、犬の散歩がてらその辺りをうろついていた時、慰霊碑のようなものを見つけた。

 だから、大丈夫。きっと咲くよ。桜の樹の下には・・・・・

投稿: ナヴィ村 | 2007年4月10日 (火) 22時47分

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