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二つの心

          

          心の欠けた形を

          埋めようとして

          心をもう一つ

          欲しがったわけじゃありません

          

          私はただ見とれていただけ

          あなたの心の

          きれいに欠けた

          その輪郭を

          

          あなたは突然に届いた

          予期せぬ手紙

          

          東の空の小さな穴から

          光が漏れ出て

          夥しい朝が

          夜に溢れる

          あなたは私を

          すっかり変えてしまった

          私にもう

          夜が訪れないほどに

          

          一人で生きた時間の総和を

          二人の時間が追い越す時

          一人で生きていたことが

          奇妙に不自然だったなどと思える日が

          いつか

          来るのだろうか

          

          人は皆

          一人で生まれて来たというのにー

 

 数年前、この詩を、私の恩師であるT経済大学のT先生が英訳してくれました。先生、そのせつはありがとうございました。

 

                  ☆ 

                  

              Two Hearts

       A Poem Dedicated To My Wife

             By Navi Mura

        

         I craved for another heart

         Not because I tried to fill

       The part of my heart in eclipse.

            

           I was just adoring

  The outoline of waned part of your heart

        The absence so complete.

        

         You are an unexpected letter

       Delivered to me unannounced.

    

        Out of a small hole in the eastern sky

          Light overbrimmed

    A bright morning deluging a dark night.

      

    You had made me a different man

  So completely that a night no longer visits me

 

When a total of the time shared by you and me

      Exceeds the time spent separately,

            Will I fell some day

              My past life without you was 

                   strange and unnatural?

          

          In spite of the fact

  That we were all born into this world alone.

 

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詩集「The letter」 (80)」カテゴリの記事

コメント

この詩のコメントには少々時間がかかった。“夥しい”が読めなかったからだ・・・。
ストレートで美しい詩だ。
ただ、最後の一行が気になる。その昔ナヴィ村さんに「人間は生まれるときと死ぬときは1人だ」と言ったところ、「おれ1人じゃなかったよ。双子だし」とクールに言い放たれ、俺は絶句したのだった。

投稿: jazz坊主 | 2007年5月20日 (日) 22時38分

そうなんだよ・・・(笑)。君が昔、僕に言ったというその台詞、本当は僕は吐けない。だから、この詩の最後の一行は、僕にとっては一種ファンタジー、一般論です。死ぬ時は一人で、と思っているんだけど。。

 

投稿: ナヴィ村 | 2007年5月21日 (月) 05時31分

この詩って、前イベントで読んでくださった詩ですよね?英語のリズムと日本語のリズム、どちらもいいですね。来年はパラヴァス10周年。何かやりたいです!みんなで集まれるいいハコが、どこかにないでしょうか?

投稿: mimi | 2007年5月21日 (月) 13時57分

そうそう、これ、日本語でも英語でも読みましたねえ、あの時。鎌倉は外国客が多いから、もし客席にいたらどうしようとか思いながら読んだのを思い出します。今はあんな無謀なことできません。でも、楽しかったですね。いいハコ、考えておきます。

投稿: ナヴィ村 | 2007年5月22日 (火) 05時47分

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