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世界は厨房


茹で上がったパスタの
立ち昇る湯気の中から現れた未来は
唐突に
突然に
男の首にエプロンをかけた

料理の時間です
人生を煮込みましょう
孤独や怒り
浮世の不条理を
忘れてしまえる
レシピがあるから

男と女だけど
男と女じゃない
色の違う殻のゆで卵を
剥いたみたいに

二人は
瓜二つのたましい
つるんと白くて
ほら
見分けがつかないよ

庭先で犬が散歩をせがむ
イタリア製のソファに寝そべる猫が
夢で『オネスティ』を唄ってる

梅の実が青い
六月の晴れた空から
煎りたてのコーヒーの匂いがしてる
からん、とドアが開き

神が馴染みの席に座ると
オーダーです


2006年6月4日
今日 世界は
二人の厨房になった

 

 

 

一昨日の4日は弟夫婦の結婚記念日でした。本当はその時にこの詩をエントリーすれば良かったのだけど、去年の日記を見ると、二人の結婚式から帰って、丁度、二日間かかってこの詩を書いたことになっているので、この詩は去年の今日できたことになります。

お二人さん、遅ればせながら、1周年おめでとうございます。

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