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『百年の孤独』~永続する眩暈

 

百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967)) Book 百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))

著者:ガブリエル ガルシア=マルケス
販売元:新潮社
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 このブログを始めて最も難しいと感じるのは読んだ本について書くことです。なんとか立派な“書評”のようなものを書こうとして、躊躇しているうちに結局、書けず終いになってしまい、カテゴリーの“Books”のコーナーのエントリーはなかなか増えません。で、昨日から発想を変えて、本については気軽に、ごくごく短いコメント程度にしようと思いました。

  で、気軽に、と言った途端、いきなりこの世界文学の最高峰に位置する作品ですが、最近は“ガルシア・マルケス”というブランドがあり、“百年の孤独”という焼酎があるので、それで“ガルシア・マルケスの『百年の孤独』”と言うとちょっとシュールな感じがします。

 小説自体も超現実的なのですが、シュール、と言うより、これがラテン・アメリカの現実なのかなと思う程、どんなぶっ飛んだシーンにも不思議にリアリティがあり、その辺の描写力の凄さが現存する世界最高の作家と言われる所以なのでしょう。

 この本を途中で投げ出した人から、登場人物の名前がどれも似通っていて、誰が誰だが分からなくなるといったことを良く聞きますが、最初読んだ時、私も同じような感想を持ちました。ホセ・アルカディオ・ブエンディーアとかホセ・アウレリャーノ・ブエンディーアとか、ホセ・アルカディオ・セグンドとか、代替わりする度に子供や甥に同じような名を付けるので、ちょっと気を抜くとワケが分からなくなります。

 でも、ある時から、それで良いんだと思うようになりました。これはある一族を通して“マコンド”という町の生成から消滅までを描いたもので、それはそのままラテン・アメリカについてのメタファーでもあります。出来事の一つ一つが歴史のある側面を物語っていて、上にあるように似通った名前など気にせずずんずん読み進んでいくと、眩暈のような感覚に陥っていって、はまると最後、読むのを止めるのが苦痛なほどになります。

 とんでもない暴力と飽食とセックスがあり、またその合間を縫うように繰り返される革命の蜂起と鎮圧、そして隠蔽された虐殺があります。不思議なのはそれらがどんな悲惨な出来事でも、一つ一つとてもユーモラスに感じられ、それがラテン系ということなのでしょうか?

 ガルシア・マルケスについては去年、新潮社から全集が刊行されて、色々、読めるようになりましたが、個人的には早く『コレラの時代の愛』を読みたいと思っています。

 でも、まだ読んだ事の無い人にはまずこの『百年の孤独』。

 焼酎以上に酔えますよ。

 独断的評価:★★★★★

 

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