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江戸のスペイン人?

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 先日、私が責任者を務める発掘現場にスペイン人の男性が面接に来ました。彼は日本の女性と結婚していますが日本語が全く話せず、英語も片言話せるだけ。面接には奥さんと二人の子供を伴ってやってきて、私はなんだか仕事の面接官というより移民局の取調べ官のような気分でした。私が勤める会社は大きなゼネコンの下についていて、ゼネコンの所長のNさんは『言葉が通じないんじゃ指示がだせないからできればお断りした方が・・・・。』と、消極的でしたが、面白そうなので私は採用しました。履歴書(奥さんが日本語で書いたものです。)を見ると彼はスペインの某大学で考古学を専攻し、博士課程を経ています。現場も本国スペインのみならずスコットランドでも経験しており、またダイビングの資格を利用して海底での調査も行っています。日本には縄文土器の研究に来ていて、東京に来る前は長野で縄文遺跡の調査をしていたらしいです。

 私が建物の2階で彼の面接をしている丁度同じ時、階下では別の面接が行われており、なんとそのおじさんはスペイン語の通訳をしていた経歴のある人。スペイン人の彼を採用したはいいが今後どうしよう?とぼんやり思案していた私は、それを知って大笑いしてしまいました。これはきっと何かの運命だ!!

 という訳で私の仕事場は今、片言のスペイン語と片言の英語とが飛び交っていて、面白いのは皆、彼となんとかコミュニケーションを取ろうとするあまり、日本語まで片言になっていくところです。皆、日本語が昔の、“ウィッキーさん”のようになっています。また変な意味のスペイン語を若いバイト君に教え、彼に言わせに行き、皆で大笑いするということをして楽しんでいます。

 私が彼と話すのは出鱈目な?英語です。通じりゃいいという感じで、手振り身振り入りで、お互い時にメモ帳に絵を描いたりしながら話します。彼も英語は片言なのでなんとなく気楽で、でも思ったよりコミュニケーションはスムーズです。

 しかし、話していて気がついたのは、私はアメリカ、イギリス以外の他国の文化を以外に知らないということです。私は一応、映画狂、音楽狂を自認しているつもりですが、映画にしても音楽にしてもスペインのものというとすぐに出てこなくて、話題探しに窮することもしばしです。

 で、今日なんとか彼に話して通じたのが、このビクトル・エリセ監督の『エル・スール』です。エリセは極端に作品が少ない監督で、私が大学の頃、下高井戸の映画館で見たときはまだこの『エル・スール』と『ミツバチのささやき』の2本しかありませんでした。私が『エル・スール』と言うと、現場の彼は少し間をおいて『ミ・ナ・ミ・ヘ』と、その言葉の意味を翻訳してくれました。エリセは本国でもとても有名な監督だそうです。

 これからしばらく、この英語と日本語とスペイン語がちゃんぽで飛び交う日々が続きそうです。慣れていない若い子達はちょっと戸惑っているようですが、私はすっかり楽しんでいます。帰り際、私が『マニャーナ!!』と言うと彼は『サヨナラ!!』と言います。

 それでそろって江戸遺跡を掘るってなんだか不思議な日々ですが・・・・おもろいです。

 

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