十月の緑の神ー高尾山ハイキングコース
放射する木洩れ日は蝶の如くに
ひらひらして
思わず俺は
額に
手をかざす
それは
紅葉の直前の最後の緑で
夕べの台風を生き延びて
生存を歓喜し合う
広葉樹林の緑 緑だ
風にそよぎ
夏の衣装を着たきりの
山神達が“おいでおいで”する
もう明日には
あなた方は朱に染まり
人間どもに
透明な秋を
差し出すのか
カシ ケヤキ アカシデ
ブナ カエデ イチョウ
水蒸気煙る
十月の緑の神よ
速い流れの雲の狭間の
空のコバルトに
巨大な沈黙が
轟いていた
もう歩いているのか
風景が動いているのか
分からなかったー
数年前まで良く高尾山に登った。まだ小さかった子供達とおにぎりをつくって登って、ただ下りてくるだけ。だけど、凄く楽しかった。これはそんな頃、写真を撮るように書いた詩。台風一過の翌日で、樹木の緑が鮮やかできれいな上に、風で凄く揺れていて、木の一本一本が植物を越えて妖精のように見えた。
今日から10月。まだ季節感ないけどね。
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