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『チョコレート工場の秘密』~贅沢な寝物語

チョコレート工場の秘密 チョコレート工場の秘密
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 今日は朝から頭の中も家の中もチョコレート、チョコレートです。一つには私が昨夜からロアルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』を読んでいるからで、もう一つは娘が来たるバレンタインデイに向けて、チョコレートを砕き何やら作っているからです。

 ダールのこの本は言わずと知れたティム・バートン監督、ジョニー・ディップ主演の映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作です。私はこの映画もまたそのサントラ盤も大好きですが、昨日、毎週日曜日10時に欠かさず聞いている小川洋子のラジオ番組でこの本が紹介され、それで早速、図書館に行って借りてきたのです。

 昨今の風潮なのか、この本にも旧訳、新訳とあるらしく、私が借りてきたのは田村隆一訳、つまり旧訳の方で、装丁などがやや古めかしい感じのやつです。ネットで調べると、上に紹介した新訳の柳瀬尚紀訳は氏特有の造語感覚に溢れたもののようで、賛否両論あるようです。が、私が学生の頃アルバイトしていた出版社では氏のルイス・キャロルものを幾つか出しており、私は氏の遊び心に溢れた訳に親しみがあるので、機会があったら是非こちらの方も読んでみたいと思います。

 ラジオでも言っていましたし、また田村版の解説にもありますが、この話はダールがまだ小さかった自分の子供達に、寝物語に聞かせていた創作話が元になっているということです。

 私にも身に覚えがありますが、わざわざ絵本やらを読んで聞かせるのが面倒な時、私も良く布団に入って適当なお話をでっち上げて子供達に聞かせてやっていたことがります。大抵、奇想天外な展開やぶっ飛んだ語り口の方が子供は喜ぶので、私の話も滅茶苦茶なものが多かったのですが、この『チョコレート工場の秘密』もなるほど、そんな「お話」が下敷きになっているのが良く分かる、いかにも子供がキャッ、キャと喜ぶような物語です。

 チョコレートが流れる川、さまざまな料理の味がするチューインガム、チョコレートが取り出せるテレビ、なんかLSDの幻覚のようなシーンの連続で、大人でもワクワクする話ですが、これを毎晩ベッドで聞かされていた子供達は、シアワセなひと時と言うか、これぞ贅沢といった経験だったでしょうね。

 それにしても、ウンパ・ルンパ族を思いつく人ってなかなか凄いと思いませんか?映画と同様、甘やかされ、我儘に育った子供達がその失敗によって酷い目に合う度、ウンパ・ルンパ族の“ヘン”な歌が歌われ、その歌の歌詞を読むと、その中に様々な教訓が含まれていて、これが寝物語に子供に語るに相応しいものだったのが良く分かります。

 映画ではこの歌の部分の音楽と踊りが最高で、それだけで一見の価値があると思いますが、それ以上にジョニー・ディップがウィリー・ウォンカを見事に演じていて素晴らしいと思いました。

 ジョニー・ディップはこの他にもチョコレートネタの映画ではジュリエット・ビノシェ主演の『ショコラ』にも出演しており、そちらの方は流れのギター弾きの役で、これもとてもかっこ良かったです。

 今朝、娘が作っているチョコレートをほんの一かけ、つまみ食いすると、激怒されてしまいました。何でも量が足りないかも・・・と心配していたところだったとのことで、余計、怒りを買ってしまったようです。

 それで、板チョコを数枚買いに行くハメになったのですが・・・ウォンカ工場の金のカードは・・・出てくるはずありませんネ。

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コメント

あたしはけっこう前に深夜テレビの映画番組で、脚本ロアルド・ダール、監督メル・スチュアート版の『夢のチョコレート工場』(1971)を観て以来、えらくキッチュで、しかもなんだか不安、でも夢のような不思議な雰囲気が頭にやきついてしまい、CG駆使のティム・バートン版には(映画館で観たのに)『猿の惑星』リメイクほどではないにせよ、すっかり興ざめでした。後に(といってもティム・バートン版より前のことだけど)聞いたところでは、イギリスなどでは、祝日等にテレビでメル・スチュアート版が放映され、子供たちに奇妙な感覚を与え続けていたらしい。

投稿: Howlin | 2008年2月12日 (火) 01時31分

脚本ロアルド・ダール、監督メル・スチュアート版の『夢のチョコレート工場』・・・・というのがあるのは知らなかったな。ダールが映画の脚本を書いていることは知っていましたが。あの『チキチキ・バンバン』の脚本もたしか彼のようで、ティム・バートン版の音楽『ウィリー・ウォンカのテーマ』はこの『チキチキ・バンバンのテーマ』のオマージュだ、と上で紹介したラジオでは言っていました。

 前回の話同様、ここでも「世界のブルース化」が進行しております・・な。

投稿: ナヴィ村 | 2008年2月12日 (火) 05時14分

そう、世界のブルース化、ね。
書き忘れたけど、柳瀬訳、そんなにイヤミもなく(柳瀬はやりすぎる場合があるけど)、なかなか読みやすかったです。監督メル・スチュアート版の映画はDVDが廉価版で出てるはず。ただし吹き替え版がないので、小さい子供にみせるのには向かないかな。オレなんかの世代には、たぶん昔の版の映画の方がグッとくると思うよ(想像力の入り込む隙間がもっと大きいから)。

投稿: Howlin | 2008年2月12日 (火) 09時41分

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