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How to protest

 

市民的抵抗の思想
配信元:電子書店パピレス
提供:@niftyコンテンツ

 社会的な問題に抗議(プロテスト)する時、あなたならどんな方法を取るだろうか?デモ、ビラ、集会、ストライキ、不買運動、署名運動、エトセトラエトセトラ・・・・。私もこれらのうちの幾つかの行動に実際に参加した経験があるが、参加していつも思うのは、それらの行為が実際の問題を動かすほんの1mmでも助けになっているのか?ということだ。

 人類の歴史を紐解けば、上に挙げた方法には大きな実績と成果があって、それらを無意味だと言いたい訳ではない。しかし、取り締まる側にもそれと同様の対策やら修練の歴史があるはずで、昨今ではそちらの方のシステムと手段の方が高度に、そして巧妙になってきている分、何かもっと他の有効な手段はないものかと夢想してしまう。

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昨日、新聞各紙で大きく取り上げられていたが、自衛隊イラク派遣反対のため立川の防衛庁官舎にビラを配った市民団体メンバー3人に対し、最高裁は上告を棄却し、全員有罪の判決を下した。

この中の一人は、私の職場にバイトにきている数人のバンド仲間であり、私も何度か会った事がある女性なので、以前からその“事件”については知っていたし、注目していた。

 私は「知人がいる」と言った個人的な感情を抜きにして、今回、新聞数誌の記事を冷静に何度も読んだが、この判決はどう考えてもおかしい。判決は「表現そのものではなく、表現の手段が問われた事件」として、ビラの内容は判断の対象としていないとのことだが(罪状は住居侵入罪)、それならあらゆる商業広告のビラ、某政党や某宗教団体の小冊子の配布などは何故摘発しないのだ? 

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 そしてもう一つ抗議(プロテスト)の手段を考えさせられる事件として、今、一日中繰り返しメディアで取り上げられている「北京五輪聖火リレーへの妨害行為」があるが、これについては上に挙げたビラ撒き問題とは違った感想を持った。

 人は誰も批判しようのない絶対的な正義を訴えようとする時、とんでもない暴挙に出てしまう場合がある、ということだ。自分の正義を行使する時、その手段と行動をちょっとでも検証しようとしない人は恐い。

 

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 映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』に詳しく、またこの映画が中国で上映が禁止されていることからも分かるように、『チベット問題』は中国の急所である。この映画に主演したためブラピは中国への入国が禁止されているとも聞いた。そしてこの映画の中で描かれた悲劇は現在も継続されていて、特にチベット人への人権侵害はさらに深刻を極めている。

 今回に限らず歴史的にチベットでは何度か暴動が起きているが、チベット人は本来仏教信仰に篤く非暴力が浸透している人々なので、彼等が暴力に訴え出るのは余程のことと言って良い。ガンジーを暗殺した人が出身の村で今も英雄視されているように、『非暴力』は抗議の方法としてはもちろんだが、生活として強いられるのはとてつもなく苛烈をなことなのだ。子供の頭が叩き割られ、妻や娘が目の前でレイプされても、非暴力者は暴力に訴えることはできない。だから非暴力の姿勢を貫けなくなったからといって私はチベットの人々を非難することはできないし、逆に今回のことで彼等がそうせずにはおれない程、現在の中国政府側のやり方に問題があるというのが遅ればせながら世界の人々の共通の認識になったと言って良い。

 で、その「正義」の立場から聖火リレーへの妨害行為があるのだが、私は平和を希求する余り、もう一つの「平和の祭典」を破壊してどうする?という気がする。聖火リレーくらい整然と通してやって、その脇で冷静かつ辛辣に抗議すれば良いではないか?と思う。これは物理の作用・反作用の法則に似ていて、妨害行為という方法でプロテストが行われれば行われるほど、中国政府の姿勢はより強固になって、解決の道はさらに閉ざされてしまうのではないか。

 それにしても、中国はオリンピックが開催され競技が行われた際、金メダル受賞者がその都度、「フリー、チベット!」を訴えたらどうするのだろう?そのシーンの映像や記事をカット・検閲などすれば、そもそも中国が五輪を開催する資格さえなかった国であることが世界中に喧伝されてしまうことになるが。

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 一応、民主主義社会においては主権在民ということになっているので、社会の中での一番の権利者は私達である。しかし、その意見なり抗議なりを訴える方法はと言うと、余りにも限られている。そして、勇気を持ってその限られた方法を行使した個人がこうむる代償は想像以上に大きい場合がある。もっと誰もが日常生活を乱されること無く、問題の核心に意見を突きつける方法はないのだろうか?

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 私の個人的な意見だが、どんな国家も経済への打撃というのを一番に恐れているので、不買運動というのが一番効くような気がするが、それを大規模に組織できるシステムが無い。

 ところで、「ビラ撒き問題」に関してだが、問題は「言論の自由」、「表現の自由」ということになってしまった。そもそもの「自衛隊イラク派遣反対」はどうなったのだろう?論点がずれて(ずらされて)しまった。巧妙といえば巧妙である。

 反グローバリズム主義者の私はアメリカのアフガン空爆以来、マクドナルドのハンバーガーは食わないことにしている。が、勿論、未だアメリカはイラクから撤退していない。

 無力だな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

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