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知名オーディオとジョン・コルトレーン、及び3人のジャズマンの亡霊

 

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 ある朝、通勤中の車のラジオで、とあるオーディオ・システムが紹介されているのを聞きました。それが今日お話する奇跡のサウンドシステム、『知名御多出横(オーディオ)』です。

 沖縄在住の知名弘氏が個人で開発したもので、全く常識を翻す代物とか。普通、スピーカーと言うと左右に置かれた箱型の物体から水平方向に音が出て、左右の音が交わる辺りが一番臨場感が得られる・・・・とかなんかそんなイメージだと思うのですが、これは円筒形をしていて、音は基本的に上方に向かって発せられるものらしいです。つまりシャワーのように音が上から下に広がり降りて来るように出来ているらしく、部屋の何処で聞いても基本的には同じに聞こえるとのこと。そして再生される音は奇跡的にクリアで、ミュージシャンがすぐそばで演奏しているかのような臨場感が得られるとの話です。

 ホンマかいな?あまりオーディオーなどにこだわらず、どちらかと言うとその方面には疎い私も俄然興味が湧いて、一度そのオーディオで何か聞いてみたいもんだと思っていたら、なんと東京進出のためのショウルームがこのほど新橋に出来、番組を聞くほどにどうも私の職場のすぐ近くらしいことが判明しました。

 それで仕事の後、周辺を聞いて歩くと、それは我が事務所から歩いて1分ほどの、私がたまに昼休みに食べに行くカレー屋の隣のビルの5階だということが分かりました。それで珍し物好きの私はいても経ってもいられず、昨日、仕事の後、早速、訪ねて見ることにしました。

 ビルの案内は愛想の良い可愛いお姉さんで、エレベーターを相乗りして5階まで連れて行ってくれました。

『今日は凄いいっぱいお客さんが訪ねてこられるんですよ。』 とお姉さんは驚いた様子。私と同様、ラジオを聴いて来る人が多いのでしょうな、やはり。

 エレベーターを降りると聞きなれたフレーズ&メロディー、馴染みの歌声、そう、ベン・E・キングの『スタンド・バイ・ミー』が流れていて、これが超絶的な臨場感。ショウルームに入った途端引き込まれて、続デイブ・ブルーベック・カルテットの『Take・5』で完全にノック・アウト状態になり、なんじゃこりゃーーーー!!!!!と目ん玉をまん丸くしてしまった次第。私は石のようにその場から動けなくなりました。

 ショウルームで応対してくれたIさんによると、普通、オーディオシステムの中ははんだ付けされてできているらしいのですが、それでは音に歪ができるので全てを溶接にし、画期的な音のクオリティを得ることに成功したと言うことです。また、良くCDとレコードのどちらの方が音として心地良いか?なる議論がありますが、CDのほうが圧倒的に情報量が多く、心地良くないと感じるのはその再生方法が間違っているだけで、このオーディオなら録音時の音を忠実に再現できると、自信に満ちて発言しておられました。(最近のものは情報量が多すぎてかえって不自然で、1958年頃の演奏が一番良い音で再生できる、とも言っておられました。)

『もし、さらに堪能したいのであればお家からなんでも好きなCDを持ってきてここで聞いて下さい。』とIさん。Iさんは余程このオーディオに惚れこんでいるようで、こういう風なら物を売る仕事も楽しいのだろうなと、少々、羨ましく思いました。

 で、しつこく、ねちっこく、前技たっぷり、そこからも長い底なし快楽追求型の私が本日、お言葉通り持っていて聴いたのが、このジョン・コルトレーンの歴史的名作『マイ・フェイバリット・シングス』です。

 

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 Iさんは不在で、昨日、案内してくれたお姉さんがシステムの使い方を教えてくれて、ショウルームは完璧に貸切状態でした。それで一人きりの部屋で再生ボタンを押し、ボリュームを一杯にすると・・・・・・皆さん、何が起きたと思います???????立っていました。ジョン・コルトレーンが。その隣にベースのステーブ・デイビスが。ピアノのマッコイ・ターナーが。ドラムスのエルビン・ジョーンズが。皆、透明人間状態で、楽器もそうでしたが、確かに彼らはそこにいたのです。仕事場の仲間達がいつものたち飲み屋で飲んでいる頃、疲れた作業員が電車の中つり革を握ったままうたた寝をしている頃、いつもの浮浪者が空き缶をカート一杯にしてうろついている頃、夕暮れの、台風が迫る新橋のビルの一室で、私はこの4人の亡霊が演奏する『マイ・フェイバリット・シングス』に、たった一人、感動のあまり大爆笑していました。

 こりゃ、スゲー。これであれやこれやそれやあれやを聴いたら一体、どうなるのだろう?過去に散々聞きまくったジャズやロックの名盤、珍盤が一気に脳裏をかすめ、一日ここを借り切って、様々なミュージシャンの亡霊たちと対面できたら・・・・・・・・・・・・と夢想してしまうことしきりでした。

 聴いていたラジオによると、この『知名オーディオ』を開発した知名弘さんは現在、音響工学?か何かの論文を書いていて、このシステムを世界のスタンダードにしようと目論んでいるとのこと。そして観光産業だけで実は仕事がない沖縄の、これを一大産業にするのが夢だと言っておられました。

 このオーディオ、値段は7万~500万で、ipod専用のシステムもあるとのこと。お金のある方は是非。超絶的な音のエクスタシーが味わえますよ。

 それにしてもコルトレーンって凄い。ようし、次行く時は『至上の愛』を聴いてみよう。

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コメント

興味深い話ですね。
アート・ブレイキーはテイク5演ってましたっけ?
実はコルトレーンのマイ・フェイバリット・シングスはモノラル・ヴァージョンが500枚だけ製造されています。懸賞で当たって持っているんですが、恐れ多くて未だに聴けずにいます。(日頃のおこないと懸賞の運はあまり関係ないんだと思いました。笑)普段は通常盤を聴いています、、、マニアによるとステレオ・ヴァージョンより音が良いらしいんです。上記のシステムで聴くとどんなことになるのか?ちょっとわくわくします。あと「レッド・ツェッペリンⅡ」なんか聴くとイッちゃいそうだな~

投稿: jazz坊主 | 2008年9月20日 (土) 23時45分

あれ?あれはアートブレイキーじゃなかったかなあ。間違いかもしれません。

 おおせの通り、多分、そのモノラルバージョンで聞いた方がもっと臨場感は増すものと思われます。透明人間だった四人が、うっすら姿を現すのは間違いありません。

 何か好きなものを持ってきて聞いて良いと言われ、持って言ったのは何故かジャズのものばかりだったので、今度、ロック系のもので試そうと思っています。

 コルトレーンの次はジミヘンに会おうと思っています。

 

投稿: ナヴィ村 | 2008年9月21日 (日) 06時28分

アートブレイキーじゃなくてデイブ・ブルーベックでした。本文も直しておきました。ご指摘ありがとう。さすが、“jiazz坊主”だね。

投稿: ナヴィ村 | 2008年9月21日 (日) 06時40分

ジミヘン!いいですね!
ジャズを聴きはじめてよかったことはジミヘンの音楽が別次元で聴こえるようになったことです。つまり、ジミとマイルスデイビスは相当人間離れしてます。BAND OF GYPSYSとか聴き直したら別の音楽に感じました。

投稿: jazz坊主 | 2008年9月21日 (日) 19時37分

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