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ボストン美術館所蔵浮世絵名品展

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 今日は朝から両国にある江戸東京博物館に『ボストン美術館浮世絵名品展』を見に行った。このボストン美術館所蔵の浮世絵のコレクションについては、以前NHKで特集が組まれ、かねてより是非見たいと思っていた。

 明治から大正に掛けてやって来た海外のコレクターたちの手によって日本の美術品は多数海を渡ることとなったが、特に浮世絵は彼等の垂涎の的で、このボストン美術館には5万点にのぼる浮世絵絵画、700点以上の肉筆画、数千点の版本が所蔵されていると言う。しかも、あまりに数が膨大な為、当の館でさえも未だ調査中で全貌は把握しきれていないとのこと。浮世絵ファンの間では以前より公開が待ち望まれていた。

 以前見たNHKの番組ではボストン美術館所蔵のウィリアム・スポルディング兄弟の手によるコレクション、いわゆる「スポルディング・コレクション」について取り上げていたが、この兄弟は色あせ等を恐れ、その多彩なコレクションを後世に対して公開・展示を禁じていたと言う。正に秘宝である。

 そのため彼等のコレクションは江戸のタイムカプセルといった様相で、見るとそれらの浮世絵は驚くほどの保存状態で今正に刷り上ったかのような状態。色の鮮やかさは衝撃的で、今まで見てきたものは一体何だったのか、と思わせるほど。

  また、これまで良く知られていなかった幻の絵師の作品も多く発見され、今回、最も再評価がなされたのは役者絵の天才とうたわれた歌川国政だ。両国から博物館まで行く途中には彼の代表作『市川海老蔵(この海老は間違いです。が、我がPCではこれしか出ない) 暫(しばらく)』がポスターとなって点々と飾られ、今回の展覧会の象徴となった感があった。

 展示は1章.「浮世絵初期の大家たち」、2章.「晴信様式の時代」、3章.「錦絵の黄金時代」、4章.「幕末のビッグネームたち」と大きく分かれ、それプラス下絵・肉筆・版本などである。

 館は朝9:30からで、早起きの私は開館早々到着したのだが、すでに多数が来ていて会場はかなりの盛況であった。

 私が最も感じ入ったのは第2章「晴信様式の時代」の鈴木晴信の作品群。晴信はそれまでの墨摺絵・丹絵・紅絵・漆絵の時代を経て、多色摺りの開発に尽力し、豪華な錦絵を誕生させた一人ということになる。

 驚くほど鮮やかな色使いで江戸庶民の暮らしの様々な場面を捉えていて、これは当時、裕福な好事家の間で絵暦交換会なるものが大流行したことも影響したらしいが、なるほど私は中世ヨーロッパの絵暦と共通するものを感じた。季節感を感じさせる生活の場面を詩情豊かに描いていてそのため宗教的、とそんな感じだろうか。特に夜の闇を表す鮮やかな黒。日常に聖性をもたらしている、と思った。

 4章の「幕末のビックネーム」では、良く知る名前の絵師達の作品が次々と登場。前述の国政の作品もここにある。私は最近、歌舞伎を見始めたので、役者絵を見るのはあらゆる意味で一石二丁であった。

 国政の「暫(しばらく)」は現代アートと見まがうほど斬新だ。舞台上の役者の一瞬を捉え、さらにそれを際立つようにデフォルメしていて歌舞伎の迫力を見事に切り取っていた。私は写楽も好きだが、国政の方が江戸歌舞伎の雰囲気を良く伝えるものだと思う。

 今回、私は館内を3度回った。1度目は全部を見ながらやや流すように、2度目は音声ガイダンスの機会を借りてゆっくりと、3度目はじっくりと好きな絵を見た。

                  ☆ 

今回、私が絵の前から動けぬほどになったのは鈴木晴信の『寄菊』、喜多川歌麿の『蚊帳』、歌川広重の『東海道五拾三次之内 丸子 名物茶店』の3枚である。

 

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コメント

感心、感心朝早くから素晴らしい!

投稿: (^-^)/~~ | 2008年11月25日 (火) 06時32分

 (^-^)/~~さん。ありがとう。もう、じいさんなので早起きなのです。 

投稿: ナヴィ村 | 2008年11月27日 (木) 05時58分

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