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枯葉


あの夏の日に言えなかった言葉が
黄色に染まり足元に落ちる
逆光の燃え盛る未来に
飛び去る小鳥を
呼び止めようとして あの時
言えなかった言葉

日々のピアノの連弾から
いつしかあなたの音だけが消えて
気付かづに夢中で弾き続けた
ローレライよ
その音符の黒い粒は夕暮れの木立を抜け
哀しみの沼に
静かな波紋をたてて空に昇っていく

そばにいても決して重ならなかった人生が二つ
立ち並ぶ銀杏の木のように
言葉だけを枝に
おびただしくたたえながら

<空の鳥篭に斜めに陽がさし>

ひらひらと
言葉が降る
声になるまでに持ちこたえられなかった言葉が
舞うように
黄色いモザイクの絵を大地に描きながら

降る 
言葉が降る
銀杏の葉の形して

言葉が降りしきる

あの夏の日に言えなかった言葉が
心一面
黄色に染め上げるー

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