ローリング・ストーンズ×マーチン・スコッセジ映画『SHINE A LIGHT』~人類史上前例なし
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ザ・ローリング・ストーンズ×マーティン・スコセッシ「シャイン・ア・ライト」O.S.T. アーティスト:ザ・ローリング・ストーンズ,バディ・ガイ,ジャック・ホワイト,クリスティーナ・アギレラ |
ローリング・ストーンズ×マーチン・スコッセジ。凄くない訳が無い。で、見て実際・・・凄かった・・・。昨日12/5から封切りられた映画『SHINE A LIGHT』を、本日、さっそく見てきました。私は、容量以上のエネルギールを強引に注入されてしまったような感じで、未だ呆然自失とした状態です。
何者だ、こいつら・・・人類史上前例なし、特にミック・ジャガー、あんた、無敵のロックンロール・ロボか。
私はローリング・ストーンズは“スティール・ホイールズ・ツアー”の時、アメリカのフィラディルフィアで1度、東京ドームで2度、“ヴードゥー・ラウンジ・ツアー”の時、2度、と合計5回見ていますが、今日の新宿武蔵野館が一番凄かった(笑い)。正に至上のストーンズ体験。こんなのって、こんなのって・・・。
彼等ほどのビッグネームになるともうコンサートと言うとスタジアムでやるのが当たり前。だからこそ世界中のロックファンの間で小さい小屋でストーンズを見るというのは一つの夢なのだと思いますが、その辺りはさすがスコッセジ、インタヴューで自分のDNAにはストーンズ・ミュージックが組み込まれていると豪語しているだけあって、どのように撮ればストーンズの魅力を最大限に引き出せるか良く分かっていらっしゃる。
収容客数わずか2800人のビーコン・シアターを会場に選び、場内に数々の映画賞を受賞した最高の撮影スタッフの手による18台以上ものカメラをセット。そして何処にカメラがあるのか分からないほどに気配を消したその職人技が、ストーンズ・ミュージックが生まれるその瞬間を見事にとらえています。
私が最初に笑ったのがこのビーコン・シアターです。だって、これって歌舞伎座じゃん(笑)。大きさといい、1階の頭上にせり出して、ステージが近くに見える2・3階席のつくりまで正に歌舞伎座。花道もちゃんとある。ステージから客席を映したシーンが何度も出てきて、2・3階席をカメラがスルーするたび、ああ、あの辺でいつも、オレ、歌舞伎見てんなー、なんて思っちゃいました。
映画前半、会場のセットについて打ち合わせしたくても、当のストーンズ達はツアー中で中々連絡が取れず、スコッセジは相当に苛立っています。なんせ、セットメニューすら分からない。ストーンズのコンサートの曲順についてはいつも直前にミック・ジャガーが決めているものらしくて、曲が事前に分かっていないとカメラワークをどうしたら良いかプランが立たない。1曲目の初めの音がギターのリフから始まるのか、ミックの声から始まるのか。それによって、キースを狙っているべきか、ミックを狙っているべきか、ミックならファースト・カットのために少なくとも3台はカメラを用意しなくては・・・・などなどロックコンサートを映画に撮影する際の様々な気苦労が垣間見れて、なかなか面白いです。
そして、スコッセジと打ち合わせしている時のミック・ジャガーは巨大企業の社長というかもう会長クラス。話し方はインテリそのもで、元来、育ちの良い人なのが分かります。
一方、キース・リチャーズですが、なんか昔ならした“人斬りなんとか”のその後みたいでした。皆に「あの人、昔、凄かったんだよなー」なんて言われながら、今は好々爺とした親父さん。バック・ステージにクリントン一族なんかが挨拶にきても意外に礼儀正しく、愛想も良いです。
で、結局一曲目は『ジャンピング・ジャック・フラッシュ』なのですが、上で言う“人斬りなんとか”が例のリフを鳴らした瞬間、私の頭の中でチンピラが5人くらいバタバタと倒れましたね。もう抜かない筈のドスはこの場合テレキャスですが、そこから怒涛のロックンロール・ショーの始まりです。超至近距離のローリング・ストーンズ、いいのかな1800円でこんな良い席で見れちゃって・・・あ、これ映画か(笑)。
至近距離で見ると、メンバー同士が目配せしたり、キースが最前列の客にウィンクしていたり、チャーリーがため息をついていたり、普段からしているんだろうけどスタジアム・コンサートじゃ絶対分からない部分がもろに分かって、それだけで感動してしまいます。最前列は美味しそうな女の子達がかぶりつきでミックを見ていて、63才にしてそちらもきっと現役、ミック・ジャガー、恐るべしです。
途中、ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトやバディ・ガイなどが登場しますが、今回のゲストはなんと言ってもクリスティーナ・アギレラ。彼女と歌うミックはなんだか年若いビッチに入れあげたジジイのようで、その実、主導権はこっちにあるみたいな、そんな妄想を抱かせます。セクシーでエロいステージングはライブ・エイドでティナ・ターナーと証明済みですが、これもある種の歌舞伎・・・・この芸も深化していましたね。
私は映画を見て気が付いたのですが、ミック・ジャガーは若さを保とうなんて全然、思ってないですね。ただ、最高のステージをやりたいと常に思っているだけ。ライブ映像の途中、過去のインタヴューが色々と挟まれていますが、どれを聞いてもミックもキースも何も考えていないのが分かるだけです。ただ、音楽への愛情がもの凄く深いのが伝わってきますが。「やめようと思ったことは?」の質問に「刑務所に入れられた時、1度だけ。だけど壁一枚隔てて隣にいるキースに一喝されて思いとどまった。」みたいな言葉があって、笑った後で感動しました。
最後にこの映画のインタヴューシーンで私が一番好きな言葉を紹介して終わりましょう。ロン・ウッドとどちらがギターが上手いか、という質問に対してキース、
「どちらも下手。でも二人揃うと最強。」
どうか、スコッセジの二人のギターの音に対するこだわりも見て(聞いて)下さい。
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コメント
彼らを見ると体を鍛えねばと思う。高校時代に「スティル・ライフ」を見た時も、「ブリッジ・トゥ・バビロン・ツアー」のライブを見たときも、同じ感想を持った。音楽を愛しているからこその節制だと思うけど…。でもスゴイね。
投稿: ほぴ村 | 2008年12月 9日 (火) 01時15分