猫の遺言
命の美しさが
時に 猫の形して“在る”ことを
お前は教えてくれた訳だ
ただの一度も
言葉を使わずに
言葉の無い世界を
夢見た詩人もいたが
さすれば
お前の生涯はまさしく夢
柔らかく 温かく
眠ると
俺の膝の上に
夢そのものの重さだった
夢が終わるのは目覚めの時
だから
十五年の最後の瞬間にも
お前は
目を閉じなかった な
その時 お前の目に映ったものを
見たことのある人は未だにいない
〈みたことのある猫も〉
お前の遺言は言葉じゃなく
Yellow greenの
目だ
見蕩れるほどキレイな
死の色を映した目だった
さよならチャーミー
さよなら
今日は記事をアップすもりはなかったが、ふと仏壇を見ると亡き愛猫君の位牌に平成14年1月29日の文字。本日6回忌。で、その死から数日後に書いたのがこの詩。
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