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夢を見る大豆

 

あなたは恋を知らない(紙ジャケット仕様) Music あなたは恋を知らない(紙ジャケット仕様)

アーティスト:エディ・ヒギンズ
販売元:ヴィーナス・レコード
発売日:2004/04/21
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 紙パックのグレイプ・ジュースを壜に移してイースト菌を入れ発酵させ飲んだのが最初だった。糖分があればなんでもアルコールになると知っていたので、リンゴジュースでもフルーツ・ジュースでも何でもかんでも酒にして、これもいける、あれもいける、と皆で嬉々として飲んだ。かれこれ10年前。夏の現場。

 次は漬物。ある人からやや年季の入った甕をもらい、使い道を考えた末、ぬか床を買ってきて野菜くずを漬けた。きゅうり、にんじん、なす、キャベツ、かぶ。どれも美味かった。だが、よっぽど大事に手入れしているつもりでもすぐ油断してぬか床をダメにしてしまい、当時、住んでいた貸家の庭には歴代のぬかちゃん達の墓標がいくつも立ち並ぶこととなった。そして誓った。もう二度と“発酵もの”には手を出すまいと。

 しかし、誤算があった。

 娘が父の背中を見ていた。

 幼い頃からジュースに白い粉を入れてニタニタし、夜中、どんなに酔って帰宅しても冷蔵庫まで這って行って冷蔵の明かりのみでぬか床をかき回している父を見て、娘に“発酵物好き”の魂が受け継がれてしまっていたのだ。

 昨日、私が朝食の席、新聞を広げていると娘が妻に言った。

 「私、“みそ”作りたいんだけど・・・・・。」

 見ると娘の瞳の中に赤く燃える炎。そしてそれは私の中で封印されていた何かが解き放たれた瞬間でもあった。ガキっ!!(鎖の切れる音)。

 ・・・・と、こうして私は昨日、立川に行って大豆と麹を買ってきたのでした。昨日、一晩大豆を水につけて今日帰ってから仕込みっ!と思っていたら娘と妻でもうやっちゃったみたい。

 冷蔵庫にやや大きめのタッパーに仕込まれた“ブツ”が詰めてあり、“手作り味噌 2009.1.13”と、ラベルが貼ってあります。その下には“五月までおやすみなさい”との文字。まだ味噌以前の大豆くんは、今正に眠りの迷宮へと落ちたばかりなのでした。

 で、牛にモーツアルトを聞かせると乳の出が良くなると聞いたことがありますが、ジャズを聞かせると味噌がまろやかになるのでは?なんてそんなことあるわけないですが、今夜、この大豆くんに聞かせたいのはエディ・ヒギンズのアルバム『You don’t know what love is』、名盤です。

 70過ぎてから大ブレイクしたこのおじさん、余計な音も足りない音も一つも無いストイックなピアノ。一曲目は『星に願いを』です。

 この味噌が美味しくできたら、これで最初何の具の味噌汁をつくるか?今から楽しみです。

 おやすみ、大豆くん、良い夢見て、早く美味い味噌になれよ。

 私も寝ます。明日の朝、私が何になっているのかは・・秘密です。。。。皆さん、おやすみなさい。

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