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WBC決勝 日本VS韓国

 死闘。WBC決勝。五度目の韓国戦。結果は延長10回5-3で日本勝利。大会2連覇。

 あの場面でちゃんと彼のところに出番が回ってくることがまず凄いと思った。そして、ちゃんと結果を出すところも。まるで9回裏に韓国に追いつかれたのは、その後の10回表のあの場面で彼に打たせるために天が配剤したかのようだった。

 彼とはもちろんイチロー。今回、図らずも私たちは苦悩しもがくイチローを目撃したが、実は本当は彼はいつだってそういう風に野球をしている人だ。

 アメリカに初めて渡った時 「自分にはこのバットで表現したいことがある。」と言って周囲の記者達を驚かせた彼だが、ならば彼がそのプレーの一つ一つで表現しようとしていることは何か。それは見る人それぞれによって受け止め方は違うと思うが、唯一つ言えることはいつもが胸のすくような一話完結のドラマだとしたら、今回のそれは長い長い大河ドラマだったということ。本当に長かった。そして、結末はあまりにも劇的だった。

「負けた事実、腹立ちますよね。僕にとっては日本での最後の試合なので…。プレッシャーがかかっていたのは向こう(韓国)のほうだから」 3月10日のイチローのインタヴュー

「第3打席のバントの失敗でほぼ折れかけていた心がさらに折れた。ほぼ折れかけていた心をギリギリでつなぎ止めた。きょうの結果は天国行きか地獄行きかを決める試合。天国に行けて良かった。流れをくい止めていたのは完全に僕だった。本当に支えてくれて、ありがとうと思った。チームメートがつないでくれるというのはすてき」 3月19日のイチローのインタヴュー

「やあ、もう苦しいところから始まって、苦しいがつらいになって、心が痛んで、最終的に笑顔になった。日本のファンの人たちに笑顔が届けられて最高です」。3月24日のイチローのインタヴュー

                 ☆ 

 今日の試合は大袈裟じゃなく球史に残る一戦だったと思う。アメリカの新聞は“もう野球はアメリカのお家芸じゃないのかもしれない”と、日本戦に敗退後、そう報じたと言うが、確かにアジア野球のレベルの高さを世界に見せつける形になった。

 そして、5度も同じ相手に当たるってことでトーナメントの仕組みに問題有りと言われた本大会だが、個人的にはこの韓国とは一度とことんやった方が良いと思っていたので、面白かった。パーソナルな喧嘩を世界のひのき舞台でやっている、なんかそんな感じだった。

で、第2回WBCは韓国戦のこと・・・とずっと思っていたが、終わってみたら実は“人間イチロー劇場”だったと言う印象。そしてこのドラマ、第1回の時よりずっと“濃かった”。

ああ、今日は疲れた。仕事じゃなく(笑)。でも良かったね、イチロー、おめでとう。

PS ただ、次回からは“侍ジャパン”っての、やめてくれ。

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WBC準決勝 日本VSアメリカ

 今日はほとんど試合を見なかった。聞かなかった。人づてに松坂が先頭打者ホームランを打たれたと聞いた後、暫くしてちょっとラジオを着けると今度は6-2で日本がリードとの情報。その後昼過ぎに9-4で日本が勝ったことを知った。え、こんなもんなの?ってのが正直な感想。韓国VSベネズエラが10-2で韓国だったので、今日の結果を見るほどに第1組って一体どんなレベルだったんじゃい、と文句の一つも言いたくなる。

 今、録画の試合を見ながらこれを書いているが、お約束どおり松坂は立ち上がりが悪い。ボールが高目に浮いていて、なるほどこれじゃホームランの一つも打たれるだろう。今、ちょうど4回裏、日本打線が連続ヒットで逆転に成功し、一挙5点を入れるのを見たところ。そうか今日は川崎が出ていたのか。

 結果が分かっている試合なので安心して見ているのだが、その分、全然、勝負とは違う所に目が行き、私の目が捕えたのはアメリカの監督ジョンソン。

 ジョンソン!私の世代で子供の頃野球少年だった人でこの人を知らない人はいないだろう。長島引退後、純潔主義だった巨人に何十年ぶりかにやってきた外人選手がこのジョンソンだったのだ。彼が来た年、巨人は最下位で、ジョンソンはその原因の一つでもあるかのようにボロクソに非難の的になった。

 子供の頃の草野球なんて、だいたい“ごっこ遊び”も兼ねていて、皆、王とか張本とかやりたがるんだけど、当時、右打ちだった私は(後に左打ちに直す)、ジョンソン役を買って出てそれで実際とは大違いに打ちまくってやったものだ。

 彼は帰国後、日本で経験した緻密な野球を大リーグで生かし、良い指導者・指揮官になったと風の噂に聞いていた。そして現在、こうした国際大会でアメリカ代表を率いるまでになり、多分30年ぶり位に私の目の前に現われた。素直に懐かしいぞ、ジョンソン。゚゚(´O`)°゚

で、クライド・ライトって今どうしてんだろ。リンドとか。あー、ゲームを見ながら頭の中はどんどん脱線していくなあ。

明日は決勝。5度目の韓国戦。え、うんざりだって?いいじゃない、私も韓国の選手をすっかり覚えてしまったことだし。

頂上(てっぺん)で白黒決めようじゃないの。 

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7度目の歌舞伎 元禄忠臣蔵~大石最後の一日

 Photo歌舞伎座さよなら公演3月は真山青果の『元禄忠臣蔵』。これはいわゆる新歌舞伎というやつで、同じ“忠臣蔵”と言っても『仮名手本~』に比べるとかなり史実に忠実なものらしい。

 昼の部は『江戸の刃傷』、『最後の大評定』、『御浜御殿綱豊卿』。夜の部は『南部坂雪の別れ』、『仙石屋敷』、『大石最後の一日』。特に夜の部では團十郎、仁左衛門、幸四郎がそれぞれの幕で大石内蔵助を演じるというのでかなりのお得感がある。

で、何を見るか。全部見ればいいのだろうけど、毎月演目チラシを睨みながらこれだと思うものを1~2幕見ている私は今回はかなり迷った。月初「今月のあなたは優柔不断です。」と、ある占いで見たが、そうか、このことだったのか。

“忠臣蔵”と一口に言っても大雑把なストーリーしか知らない私は、個々の場面が一つの戯曲として成立しているという、その感じがどうにも良く分からない。全部見ないといけない気がしてしまう。しかも作品は戯曲としての出来不出来がそれぞれあるらしく、また上記のように幕ごとに内蔵助が違うとなればなおさらのこと。それで散々迷った挙句、私が選んだのは『大石最後の一日』。幸四郎の内蔵助だ。

幸四郎は好きだが、歌舞伎役者としての彼には実は苦手感がある。と言うより、それ以外での彼に長年触れてしまっているので、頭の中でどうしても“歌舞伎役者”と言う風にならない。

で、なのに何故『大石最後の一日』かと言うと、まずこの大作『元禄忠臣蔵』の中で一番最初に書かれたのがこれだと言う事。昭和9年、二代目市川左団次のこれの初演が好評を得て、その後、全容が書き継がれていったとのことで、『元禄~』のエッセンスはここにあるのだろう、と踏んだ次第。

また新歌舞伎はセリフが現代語なので、私の“歌舞伎役者幸四郎苦手感”もこれで払拭できるのでは、とも考えた。

                   ☆

昨日は、夜の部最後が目当てと言うわりに、私は早くに歌舞伎座に行った。前回の『勧進帳』の時の幕見の行列の凄さを知っているので、用心して4時ごろ到着。

実は、もし可能なら午後の部全部見てやろうという気も少ししていたが、『南部坂~』のチケットはすでに完売。で、『大石~』が始まるのは7時半頃なのでまだ4時間近くある。しかし、時間を潰すのにうろうろするのも面倒なので、ずっと並んで、結局『仙石屋敷』から見ることにした。ここにきてもなお優柔不断な今月の私。

 戯曲として『仙石屋敷』はつまらない、との評判を聞いていたが、私は面白く見た。ただこれは歌舞伎というより現代劇。この『元禄忠臣蔵』に“討ち入り”の場は無く、不思議に思っていたが、それはこの『仙石屋敷』ですべて表現されているからだ。討ち入り直後、詮議の場で内蔵助以下は尋問されるが、討ち入りの仔細はすべてこの場のセリフによて語られる。つまりセリフ回しが命の芝居。

 ここでの見ものはやはり仁左衛門のダンディな内蔵助だ。團十郎のは見れなかったが、ポスターで見る限り、今回の3人のうち一番カッコいいのは仁左衛門。討ち入り直後ということで得している感もあるが。そして長ーーーーーいセリフを緩急つけながら、感情豊かに操る仁左衛門。すすす凄い!隣の人は寝ていたが、私は目が釘付けになった。そして息子主税との別れの場面。私も同じ年頃の息子を持つ身なので・・・・少しウルッときた。

                    ☆

で、目当ての『大石最後の一日』だが、内蔵助に幸四郎、磯貝十郎左衛門に染五郎、堀内伝右衛門に歌六、おみのに福助。ダンディな仁左衛門の内蔵助の後だったので、幸四郎の内蔵助には一瞬違和感があった。が、それは置かれている状況の違い。

 幸四郎の内蔵助は討ち入り後、数名の隊士とともに細川家にお預けの身となって、そこで沙汰を待つ身。死を覚悟して透明な気持ちなりつつも日ごとに世間での評判が上がり、気もそぞろな他の志士達の振る舞いに気を揉む内蔵助。

で、そんな中、おみのという娘が男装して現れる。すぐに女と見破る内蔵助だが問いただすと、なんでも磯貝十郎左衛門と婚儀を果たした身であるとか。磯貝は吉良邸の偵察などしている間、世間の目を欺く為、おみのとそんな次第になったのだが、おみのは磯貝の本心が何処にあるのかが知りたいと内蔵助に詰め寄ります。磯貝とおみのの恋の顛末。沙汰を待つ身でありながら、若い二人のこの状況を内蔵助はどうするのか?そして、そんな最中、全員に“切腹”の沙汰が言い渡され・・・・・・・・。

この『大石最後の一日』は予想した通り、とても面白い芝居だった。細川家で実際に内蔵助らの世話をしていた堀内伝衛門の「堀内伝衛門覚書」なる書を素材としたものらしいが、死を待つ日々の内蔵助以下数名たちの日常と心境が伝わってくる、緊張感溢れる良い芝居だった。

「覚書」によると芝居の中で重要な意味を持つ“琴の爪”を磯貝十郎左衛門が懐中大事に所持していたのは本当らしいが、おみのは真山の創作とのこと。そして、このおみの演じる福助ですが、娘でありながら男装して現われ、そして見破られ・・・と、そんな展開の中、とても可愛く演じていました・・が・・・・・・ちょっとやり過ぎ(笑)。実際、後ろの外人さんからは笑いが漏れていた。

 そして幸四郎の内蔵助。新歌舞伎を幸四郎で・・と言うのは当たった気がする。彼の暗い感じがこの芝居にはとても合っていた。これで私の前述した手前勝手な先入観が払拭されたわけではないものの、昨夜の幸四郎は人物造形が深くて、見ていて凄い満足感があった。

                   ☆

 この『元禄忠臣蔵』は全部で十篇。今回、歌舞伎座でその中でも六編が一挙上演されるのは22年ぶりとのこと。中でも名作との誉れ高いのはこの『大石最後の一日』と『御浜御殿綱豊卿』の2つらしいが、私は切れ切れでもいつか全部見てみたいと思った。

團十郎の内蔵助は見逃す形となったが、彼は海老蔵とともに5月に歌舞伎座にまた登場するので、その時までのお楽しみということにする。

で来月4月は『曽根崎心中』、坂田藤十郎、を見る予定。                   

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WBC2第ラウンド 1組1・2位決定戦 日本VS韓国

 今日は打線を大きく変えてきた。4番に城島。うん、これは凄く良いぞ、と思った。おまけに先発は内海なので同じジャイアンツのキャッチャー阿部にマスクを被ってもらい、城島はDHで打撃に専念できる。昨日キューバから5点取ったものの、前回の韓国戦のテイタラクを考えると何かてこ入れをしなければいけないのは明らかで、その結果、この打順。原君やるじゃん!と素直に思った。

 野球は選手の心理を見るスポーツである。だからその辺が分からないとサッカーみたいに動きを追うスポーツを見るのに慣れている人にはつまらなく感じるかもしれない。が、逆に分かると下手なサスペンスよりスリリングで、そういう意味では今日の先発の内海は凄く面白かった。

 初回、立ち上がりを突かれあっという間に先制点を許し、一昨日の韓国戦の悪夢がよぎる。この投手陣の立ち上がりの悪さってのは日本人特有の民族的な病気なのか?ダルビッシュもそうだったし、キューバ戦で快投を演じた松坂だって実はあの日、立ち上がりは微妙に悪かった。技術的には誰もが申し分ないのに同じような傾向に陥ると言うことは、皆一様にメンタル系が弱いということ。そして、その部分だけははどうしたって鍛えることは難しく、ただ一人超然として見えるのは岩隈のみ。

 1点を許した後、すぐ内川のホームラン、片岡のポテン・ヒットで逆転に成功、内海は落ち着いたかに見えたが、3回、韓国の2番イ・チョンスの後頭部にデッド・ボールを与えると再び動揺し、たちまち手投げの覇気の無いボールになる。腕を振れ、内海!!。もしかしたらこの時決壊し、日本はまた取り返しのつかないことになる可能性もあった。だが、救ったのはピッチング・コーチの山田。間髪入れずマウンドに走り、何やら助言。すると内海はまた回復しなんとか切り抜ける。内海ぃ、分かり易いぞ、お前。ピッチャーの心理の変化によっていかに結果に影響が出るか、まるで何かの実験のような序盤であった。

 その後、試合はお互い点が入らず2対1のまま。このままいってくれ、と祈るような気持ちで見つめていたが、ゲームが動いたのは7回裏、やっと出陣できたと荒ぶる若武者のような田中マー君、韓国のイ・デホからセンター、バック・スクリーンにまさかのホームランを浴びる。ゲームは振り出しに。マー君、若い。6回裏、登板直後3・4番を三振に討ち取り磐石に思えたが、7回、真ん中やや高め、さあ、打ってくださいというようなコースへ。明らかに失投。日本チームに嫌やーーなムードが漂う。

 だが、その後8回表、日本は青木のドラッグ・バントによる出塁で流れをまた引き戻す。青木は凄い。苦悩する天才(イチロー)の代わりを昨日に引き続き今日も演じているのは彼。このバントによる出塁はホント、舞台の幕が変ったような印象を球場全体にもたらした。で、ここで今日4番にすえた城島と思いきや原君、稲葉を代打に。“バッキャロー、なんで城島に打たせねぇーんだ!!”と私が言った瞬間タイムリー・ヒット、その後またまた代打小笠原、2度空振りして“今の小笠原じゃ打てる気しないよーー・・”と私が言った瞬間、テレビのアナウンサーが「打ったあーーー!!」とセンター前。一緒に見ていた妻、息子、娘、さすがに呆れて私を見る。スイマセン、日本追加点を入れ3対2。そして岩村にもヒットが出てさらに2点追加、5対2。

・・・・と、ここでお約束になったイチロー・レポートだが、ここまでくると何か貴重なものを見せられている気になってきた。昨日のキューバ戦後のインタヴューでも「自分が流れを止めているのは明らか・・・。」とか「自分だけJapanのユニホームを着ていない・・・あれ(三塁打)でやっとユニホームが着れた・・。」なんて珍しく弱気な発言をしていて、加齢とともにこの天才も段々と普通の選手になっていくのか・・・なんて、過去の偉大な選手達の晩年なんかを思い出したりしてしまった。

 今日も6回、ランナー1・2塁のチャンスを潰してしまうシーンがあった。セイフティー・バントを決めようとしたが失敗。内野ゴロで少なくともランナーを進塁させたい場面だったがセンターフライ。ベンチで肩身が狭そうにしている彼を見て、私はこのWBC後の来季シーズンまでこの不調を引きづってしまったらどうしようと本気で心配になってきた。

結局9回、イチローにヒットが出てそこからまた1点入る。6対2。そして藤川が抑えて日本勝利。良かった。

東京ラウンドは韓国に負けて2位通過だったが、第2ラウンドは韓国を下し1位通過。次は23日、2組2位通過のアメリカ戦である。そこで勝てば決勝はベネズエラか韓国。ベネズエラとやりたい気もするが、ここまでくると頂点でまた韓国と闘いハッキリ白黒決めたい気もまた、する。

 でも、 やっと韓国、キューバ以外の国と戦うのが見れる。次のアメリカ戦の先発は大方の予想では松坂となっているが、チーム内に多数いる大リーガー達にはかえって平常心で望めるゲームなのかもしれない。もちろんイチローも。

 

 調子は少しずつ上がってきているぞ。走れ、イチロー!。

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WBC第2ラウンド 日本VS韓国

 いくらなんでも今日のは何も書けないぞ。初回、立ち上がりダルビッシュ3失点。ラジオで聞いていて、ストライクが入らない、ボールが高めに浮いている、こりゃ、ストライク取りに行ったところ打たれんぞ・・なんてバイトくんと話していたらホント、あっと言う間に3点取られた。“まだ、始まったばかり”とか“頑張れ、侍ジャパン!!”とかラジオは連呼していたが、私の中ではその時点でもう勝負あったという感じ。

 韓国とは今回で3回目だしお互い手の内も分かっているので、大きなミスが出た方が負けに決まっている。どんなに良い投手も立ち上がりに苦しむことは良くあることだが、少なくともここは1点に抑えなければならなかった。結局2回以降ダルは持ち直し、いつも通りのピッチングで7奪三振を奪ったりしたもんだから余計虚しかった。

 それにしても打てなかったな。もしかしたらコールドで決めた東京ラウンドの第1戦は日本打線が韓国に対してスモールベースボールを発揮できなくするための作戦だったのでは?なんて勘ぐりたくなるほど、何か調子が狂っている。特にイチロー。ラジオは贔屓目に解説するので良く分からなかったが、帰宅後、録画のゲームを見ると、完全にタイミングが合っていない。これは重傷だぞ。原君、川崎に変えたら?できる?

 明日は再びキューバ戦。先日、快勝した相手だが、それなら韓国にだって東京じゃコールドで勝っているのだし、野球は日々どちらに転ぶか分からないので引き締めてかからなければならない。

 それと城島、せっかく一昨日褒めたのにつまらないことで退場をくらった。次、出れんだよなあ・・・なんてサッカーじゃなかった・・・・な。

今日はガックリ。良いとこナシ。酒を飲む気にもならん。今夜はドラマ『相棒』の右京さんの新しい相棒、及川ミッチーでも見て寝るとするか。

BOOM!!

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WBC第2ラウンド 日本Vキューバ

 “野球は点さえ取られなければ負けることはないゲーム”と、言ったのは現楽天野村監督である。何を当たり前な、と思うむきもあろうが、確かに点さえ取られなければ最悪でも引き分けで負けはなく、つまり野球は投手力だと言いたいわけだが、今日のキューバ戦は世界に日本投手陣のクオリティの高さを証明したような一戦になった。

 結果は6-0で日本。先発の松坂は6回86球を投げ5安打無失点、無四球で8奪三振。前回大会でMVPだった時よりもさらに進化を遂げた内容で、3年前の彼のパワー・ピッチングを意識したキューバは、今回の緩急をつけたクレバーな配給と技術には全く手が出なかった。そして、続く岩隈ー馬原ー藤川のリレーも見事だった。

 今日は早朝4時45分からのテレビ中継だったが、いつも4時に起きている私には全然OKで、私は朝食を作り、食べ、弁当を詰め、お茶なんぞを飲みながら中継時間を待った。

 試合が行われたサンディエゴには昔、一度だけ行ったことがある。カリフォルニアの最南端で、治安が良く、お金持ちのリゾート地といった印象。さらに25キロ程南に行くとメキシコのティワナがあり、貧富のコントラストがキツイ地域だったと記憶している。そして暑い割りには湿度が無く過ごし易いという風にも。中継によると今日、現地は18℃で快晴。Battle of sunshine そのものの天気で、選手達、特に外野手はサングラスを着用した方が無難と言えそうな日だった。

中継開始4時45分から家を出る6時までに私がテレビで見れたのは3回まで。

 2回表、小笠原、内川の走塁ミスでチャンスを潰しやきもきしたものの、3回、城島、岩村、片岡のヒットで先発の160キロ豪腕チャプマンを攻略。そして代わったゴンザレスが青木に暴投で先制。その後、青木の中前適時打、村田のレフト犠飛で3点を挙げ、その時点で私はほぼ勝利を確信しつつ家を出た。その後は通勤の車のラジオで聞いていたが、その後もさらに3点が入り、現場の新橋に着くまでにほぼ試合は終了した。

 上に野球は投手だと書いたが、日本投手陣は最高なので、つまりは打てれば勝てるということだ。そして今日は打線に関して言えばベース・ボールより“野球”。外野に飛ばすクリーン・ヒットと言うより“転がす”攻撃で、一見地味だが他国の選手達にはそれが非常なストレスとなるらしく、本大会は今後も意識してそうしていく方ががベストだと思う。

 また、イチローについてだが、東京ラウンド第2戦で完全復活かと思ったものの、また暗いトンネルに潜行してしまった感がある。そして、やはり、少し浮いている気がする。

                    ☆

さて、取りとめも無く書いてしまったが、最後にもう一つ特筆したいのは城島。大リーグで活躍している日本人捕手だなんてホント彼は貴重な存在である。そして今回の投手陣の好投の影に彼の強気のリードがあるということを皆さんお忘れなく。(打撃も絶好調だ)。

で、次は三度の韓国。どうしてくれよう(わなわなわな・・・・・・。)

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WBC東京ラウンド決勝 日本VS韓国

 再び対戦相手は韓国。で、結果から先に言うと1-0で韓国の勝利。日本はこの東京ラウンドを2位通過で2次ラウンド、サンディエゴ行きということになった。負けたことに関しては正直悔しいが、しかし、ベースボールを見る快楽の指数は土曜のそれより断然昨夜の方が高かったと思う。

 何よりもまず先発の日本岩隈、韓国ボン・ジョングンの両投手の出だし。岩隈は初回からシュートの切れが良く、韓国打線のバットをへし折るへし折る(笑)。ボン・ジョングンもしっかりと日本打線を押さえ、今日は1点を争う投手戦になると、試合前予想した通りの展開となった。

 ゲームが動いたのは4回表。四球、ヒットで1・2塁とされた後、打者キム・デギュン。土曜日松坂から特大ホームランを打ち、日本中に顔を売った例の4番である。その彼の強振したスイングが3塁線を破る2ベースヒットとなり、ここで日本は韓国に先制点を許すことに。そして結局これが昨夜の決勝打となった。

 しかし、このプレイの最中、日本が良かったのは続くランナーをサードできっちり刺した事。そしてその後、打ったキム・デギュンも城島が牽制で仕留め、ゲームの流れを完全には韓国に持っていかせなかった。

 実力は拮抗している。全くの五分と五分。土曜日の試合のようなこともあるが、何かの要因であれが逆になることだってあるということが昨日の試合を見て良く分かった。

 しかし、限りなく引き分けに近い敗戦などとテレビの解説も言っていたが、昨夜の試合を分析するに敗因はちゃんとある。それは四球の数。日本投手人は四球が多い。昨夜は日本の黄金の投手陣のデパートのような継投策だったが、その多くが四球を許している。皆、一様に変化球のコントロールに難があり、厳しい配球に務めようとするとどうしてもボールで逃げるか、逆にボールで打たせようとすることになる。そして、そこを見極められると自然四球になる、と、そんな印象。

 これがいつも言われる米国球の使用に起因することならいきなりの修整はもう無理だ。中国戦におけるダルビッシュの快投に際し私がかけた冷や水が、こんな風に目に見える形になったということか。

 野球の失点の70パーセントは四球がらみというデータがあるらしい。昨夜、ほぼ満点に近い投球だった岩隈が許した唯一の失点も四球からだし、その後、幾度か迎えたピンチもまたしかりである。それに比べ韓国側の投手は素晴らしく、少なくとも制球に苦しんでいるような投手は一人もいなかった。

 日本は守備が良い。昨夜はそれが救いだった。幾度かあったピンチをその守備力で最小限にとどめ、また断ち切った。逆に言えば韓国は走塁に難有りで、そこが彼らの弱点と見た。

 打線は土曜日の大爆発の反動が出た感じで、少し力みが感じられた。サッカーで言う決定力ということで言えば、同点、逆転のチャンスが何度かあったが決定力に欠け、野球の場合それはチーム・バッティングということだが皆少し“狙い”過ぎた。

 日本中がイチローの好・不調に注目するその影で、その他の選手のそれも見えてきた。私が見る限り好調なのは中島、青木、城島などで不調なのは小笠原、岩村。イチローに関しては・・・・・・・・インタヴューで「察しろ。」と言っていたらしいから、察するのみにして書くのは止める。

2次リーグ、どういった局面になるにしても韓国とはまた戦うことになるだろう。実力は全くの五分五分。先は長い。最終的にどちらが勝者となるかは、その時、またじっくり見させてもらおう。

昨夜は良いゲームだった。

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WBC東京ラウンド 日本VS韓国

 初回、イチローの第一打席を見て私は「今日は勝った!」と叫んでしまった。低めの球を上手くとらえた低い弾道の美しいライト前ヒット。イチローらしいヒットだ。アメリカ人は彼の芸術的なバット・コントロールを称して“魔法使いの杖”と言うらしいが、このヒットは彼のバットがそんな風に見えるタイプのヒットだった。

 つまり彼が完全復活したということ。探し続けていたパズルの最も大事なピースがハマッタ瞬間。これで今や国民的な関心事になってしまった“イチローの不調”は終わり、球場中に満ちていたその安堵と歓喜の波動が続く中島ー青木にも打たせた、そんな風だった。初回の3連打、先制点、宿敵キム・ガンヒョン攻略。

 それに対し、その1回裏の松坂のピッチングは良くなかった。スライダーでストライクが取れず、ストレートで凡庸にとりにいったところを打たれてしまった。韓国の4番キム・テギュンの2ランはレフトの看板直撃の大ホームラン。前回中国戦でのダルビッシュの快投にへそ曲がりの私がやや懸念を示したその通りのことをエース松坂がやってしまった。まあ、彼の場合、立ち上がりが悪いのはいつものことなのだが、それにしてもそう簡単には勝たせてくれない、と誰もが思った。

 しかし、続く2回表、城島ヒットー岩村四球ーイチローセイフティバントで作った満塁の場面。中島四球による押し出しの1点と青木の遊ゴロの後、バッターは4番村田。ファールで粘り、やや消耗した感のあるキム・ガンヒョンが投げた低めの球を泳ぎ気味に打った高いフライはそのままレフト・フェンス際に突き刺さった。そして、この時、早々と日本の勝利が決まってしまった。

 その後の日本優勢の試合運びを見て、私は勝ち負けよりもある感慨に浸ってしまった。それはこの長年の宿敵韓国をここまでやり込めるようになれるまでに日本が払った代償についてで、それは星野である。

 考えるに今回の日本チームのメンバーは言わば前回の“第一回WBC戦士”と“北京屈辱組”の混成チームだ(“屈辱組”が主に若手というのが良い)。北京オリンピックでは日本は韓国に2敗。昨日のキム・ガンヒョンを全く打てず、その責任をそれまで国民的な英雄と持ち上げていた星野一人を戦犯ということにして、何の分析も無く終わらせてしまった。

 思うに日本の野球を取り巻く環境には大きく二つの路線がある。まだ国内だけで充足していた時代の保守組と大リーガー達に代表される国際経験重視組の二つ。で、その狭間にあって北京では現場の星野と選手達にはあらゆる面で大きな葛藤があった。

 ヒーロー・インタヴューで村田は「北京で散々やられたキム・ガンヒョンから打てて良かった・・・。」みたいに言っていたが、きっと思いはそれ以上のものだったろう。彼は北京で悪夢を見た一人だ。全く打てず、あの痛恨のエラー・・・。ある時、帰国に際しては「生命の危険すら感じた。」と言っていた。

 5日の中国戦も一昨日もテレビ中継は客席にいる星野を映していた。それを見て私は漫画『あしたのジョー』のホセ・メンドーサ戦に敗れた後のカーロス・リベラを思い出してしまった。例えが過ぎるかもしれないが、それは彼を彼たらしめていた“何か”が永遠に損なわれてしまったように見えたからで、それで これが日本が払った代償なのか、と思った。

 昨日、イチローは5打席3安打1盗塁、3打席目のセンター前は彼のバットがテニスのラケットに見えるタイプのヒットで、1打席目のそれとは違ってまた美しかった。

 試合結果は14対2で7回コールド・ゲーム。日本圧勝。試合前あれほど苦手感たっぷりに見えていた韓国が試合後とても“格下”に見えた。そして、あっさりサンディエゴ行きが決まった。

               ☆ 

 野球の神様は時に私達にとても過酷な試練をお与えになる。それが北京だ。しかし、今後も宿敵韓国に対して昨日のような試合ができるなら、北京の悪夢にも意味があったということだ。北京組は村田の他にもダルビッシュ、田中マー君などなどがいる。

 私は5日のダルビッシュの快投と昨日の村田のホームランを日本で一番喜んだのは星野だと思う。

日本は9日、韓国と中国による敗者復活2回戦の勝者と、1位決定戦を行う。

見たいな生イチロー。金券ショップ行けばあるかしら・・・・チケット。

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WBC東京ラウンド 日本VS中国

 ワールド・ベースボール・クラシック東京ラウンド中国VS日本。ワールド・ベースボール・クラシックに関してはまず、前回の世界一からすでに3年の歳月が経ったことにまず驚く。前回の決勝、キューバ戦の時は休日だったにも関らず私は工期が差し迫った恐ろしく忙しい現場にいて、テレビ観戦のためゴースト・タウン化した池袋の一角で、家々から漏れ伝わる歓声に気もそぞろにしていた。私が仕事をしていると現場の隣のマンションの住人がベランダから戦況を報告してくれ、その下で私は当時のバイト君達とともに一々ガッツ・ポーズをしていたを思い出す。

 3年と一口に言っても、その間に我が周辺で起きた様々な出来事に思いをはせれば、これはちょっとした年月で、例えばあの時野球帽にランドセルの小学生だった息子はこの春から中学3年生で受験生ということになるし、夜毎、電話で試合の感想を言い合っていた母はもうこの世にいない。

 チームに関して3年前と一番違うのは言うのもはばかれる位当たり前のことだが監督が違う。前回は王さんで、今回は原くん。(と、今、このブログの野球コラム『外野自由席』をクリックすると、去年の原巨人セリーグ優勝の時から野球に関しては何も書いていない。なんて、ことだ。で、その前の記事が王さんの引退。)

 3年前、イチローがチーム・リーダーとして全開で機能できたのは、実は王さんのカリスマによるところが大きい。王さんの磁力がチーム内でのイチローを“特別な人”にしてしまわなかった。

 昨日の試合を見る限りではその指揮官の違いが何処に出ているのかはまだ分からない。ただ当然だが、名だたるメンバーと言えどもチームはまだ寄せ集めの印象が強く、今後、この短期決戦の中で原くんがこれをどうまとめていくかの見ものだと思う。

 昨日の結果は村田のホームランと相手ピッチャーのボークなどを絡めた得点で4対0で勝利。ラジオでは解説者が格下の中国に対して“5回コールド”をうたっていて、前半、得点につながらない場面ではいちいち苛立っていたが、そう予想通りいかないところが野球というもの。中国の投手はスピードはないものの緩急がありなかなか打ち辛そうだった。

 で、この初戦での収穫はなんといってもダルビッシュ。不安を感じさせないピッチング。圧巻の46球無失点である。ただ、滑り易い国際球の使用を意識してかストレート主体の投球。中国相手ならまだ良かったものの、日本投手陣の大方がそうなら対戦相手の格が上がってくるとかえってそこが狙い目ということになる可能性もある。

 で、不安材料は我等がイチローである。不調と言われていたが、昨日も5打席ノーヒット。そしてやっぱ、なんかちょっと浮いて無いか?チーム内で。週刊誌の記者みたいなことを言いたくはないが、この目で見てもなんかそんな気がしたぞ。

今日6日は韓国対台湾。その勝者と7日対戦し、勝てばサンディエイゴの2次ラウンド進出が決まる。

まあ、次は当然韓国がくるだろうな。

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