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WBC2第ラウンド 1組1・2位決定戦 日本VS韓国

 今日は打線を大きく変えてきた。4番に城島。うん、これは凄く良いぞ、と思った。おまけに先発は内海なので同じジャイアンツのキャッチャー阿部にマスクを被ってもらい、城島はDHで打撃に専念できる。昨日キューバから5点取ったものの、前回の韓国戦のテイタラクを考えると何かてこ入れをしなければいけないのは明らかで、その結果、この打順。原君やるじゃん!と素直に思った。

 野球は選手の心理を見るスポーツである。だからその辺が分からないとサッカーみたいに動きを追うスポーツを見るのに慣れている人にはつまらなく感じるかもしれない。が、逆に分かると下手なサスペンスよりスリリングで、そういう意味では今日の先発の内海は凄く面白かった。

 初回、立ち上がりを突かれあっという間に先制点を許し、一昨日の韓国戦の悪夢がよぎる。この投手陣の立ち上がりの悪さってのは日本人特有の民族的な病気なのか?ダルビッシュもそうだったし、キューバ戦で快投を演じた松坂だって実はあの日、立ち上がりは微妙に悪かった。技術的には誰もが申し分ないのに同じような傾向に陥ると言うことは、皆一様にメンタル系が弱いということ。そして、その部分だけははどうしたって鍛えることは難しく、ただ一人超然として見えるのは岩隈のみ。

 1点を許した後、すぐ内川のホームラン、片岡のポテン・ヒットで逆転に成功、内海は落ち着いたかに見えたが、3回、韓国の2番イ・チョンスの後頭部にデッド・ボールを与えると再び動揺し、たちまち手投げの覇気の無いボールになる。腕を振れ、内海!!。もしかしたらこの時決壊し、日本はまた取り返しのつかないことになる可能性もあった。だが、救ったのはピッチング・コーチの山田。間髪入れずマウンドに走り、何やら助言。すると内海はまた回復しなんとか切り抜ける。内海ぃ、分かり易いぞ、お前。ピッチャーの心理の変化によっていかに結果に影響が出るか、まるで何かの実験のような序盤であった。

 その後、試合はお互い点が入らず2対1のまま。このままいってくれ、と祈るような気持ちで見つめていたが、ゲームが動いたのは7回裏、やっと出陣できたと荒ぶる若武者のような田中マー君、韓国のイ・デホからセンター、バック・スクリーンにまさかのホームランを浴びる。ゲームは振り出しに。マー君、若い。6回裏、登板直後3・4番を三振に討ち取り磐石に思えたが、7回、真ん中やや高め、さあ、打ってくださいというようなコースへ。明らかに失投。日本チームに嫌やーーなムードが漂う。

 だが、その後8回表、日本は青木のドラッグ・バントによる出塁で流れをまた引き戻す。青木は凄い。苦悩する天才(イチロー)の代わりを昨日に引き続き今日も演じているのは彼。このバントによる出塁はホント、舞台の幕が変ったような印象を球場全体にもたらした。で、ここで今日4番にすえた城島と思いきや原君、稲葉を代打に。“バッキャロー、なんで城島に打たせねぇーんだ!!”と私が言った瞬間タイムリー・ヒット、その後またまた代打小笠原、2度空振りして“今の小笠原じゃ打てる気しないよーー・・”と私が言った瞬間、テレビのアナウンサーが「打ったあーーー!!」とセンター前。一緒に見ていた妻、息子、娘、さすがに呆れて私を見る。スイマセン、日本追加点を入れ3対2。そして岩村にもヒットが出てさらに2点追加、5対2。

・・・・と、ここでお約束になったイチロー・レポートだが、ここまでくると何か貴重なものを見せられている気になってきた。昨日のキューバ戦後のインタヴューでも「自分が流れを止めているのは明らか・・・。」とか「自分だけJapanのユニホームを着ていない・・・あれ(三塁打)でやっとユニホームが着れた・・。」なんて珍しく弱気な発言をしていて、加齢とともにこの天才も段々と普通の選手になっていくのか・・・なんて、過去の偉大な選手達の晩年なんかを思い出したりしてしまった。

 今日も6回、ランナー1・2塁のチャンスを潰してしまうシーンがあった。セイフティー・バントを決めようとしたが失敗。内野ゴロで少なくともランナーを進塁させたい場面だったがセンターフライ。ベンチで肩身が狭そうにしている彼を見て、私はこのWBC後の来季シーズンまでこの不調を引きづってしまったらどうしようと本気で心配になってきた。

結局9回、イチローにヒットが出てそこからまた1点入る。6対2。そして藤川が抑えて日本勝利。良かった。

東京ラウンドは韓国に負けて2位通過だったが、第2ラウンドは韓国を下し1位通過。次は23日、2組2位通過のアメリカ戦である。そこで勝てば決勝はベネズエラか韓国。ベネズエラとやりたい気もするが、ここまでくると頂点でまた韓国と闘いハッキリ白黒決めたい気もまた、する。

 でも、 やっと韓国、キューバ以外の国と戦うのが見れる。次のアメリカ戦の先発は大方の予想では松坂となっているが、チーム内に多数いる大リーガー達にはかえって平常心で望めるゲームなのかもしれない。もちろんイチローも。

 

 調子は少しずつ上がってきているぞ。走れ、イチロー!。

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