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1Q84 Book1、Book2読了。

1Q84 BOOK 1 Book 1Q84 BOOK 1

著者:村上 春樹
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1Q84 BOOK 2 Book 1Q84 BOOK 2

著者:村上 春樹
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 たった今、『1Q84』Book2読了したところ。今、この小説に関しては様々な書評が出ているし、謎解き本のようなものもあるようなので、ここではごくごく個人的な感想を簡単に述べようと思う。

 きっと今、誰の胸の中にも世の中が(人間が)すっかり様変わりしてしまったという実感と同時に、それがいつからなのか、何が原因なのかという思いが漠然とあって、この物語はその辺のことを上手く表現しているなと思った。

 1984年ならぬ“1Q84年”とは何か。それは個人が無差別な暴力の犠牲になる可能性の水位が恐ろしく高まった世界のこと、と私は解釈したが、いつが分岐点だったかと問われれば、日本に限って言えばそれは“オウム事件以降”とか“サカキバラ事件以降”ということになるのだろうし、世界的には“9・11以後”と言うことになるのかもしれない。

 きしくも昨日は“9・11”から8年目ということで私はスプリングスティーンの『ライジング』を聞いていたのだが、私はこれを事件に材を得た時事的な作品といった印象を長く抱いていた。が、そこに収められた歌たちが今やすっかり普遍性を帯びて聞こえることに驚いた。これはスプリングスティーンのソングライティングの素晴らしさはもちろんだが、それ以上にあの時の不安や恐怖がすっかり拡散し、常態化し、世界に定着してしまったためであるといった印象が拭えなかった。

 そう、やはり、あの時、世界は変ったのだ。

 主人公の二人が、自らが今までとは全く違う世界に生きていることを知る象徴的なものとして“二つの月”というのがある。かつて『海辺のカフカ』で空からイワシが降ってくるシーンがあったが、数ヶ月前、本当にそれと似たようなことが実際に起きて、私たちはそれを小説の中の“お話”と一笑できなくなってしまった。確かそのシーンに関しては故河合隼雄氏が“現代では何でも起こりえるということの象徴”と言っていたように記憶しているが、私達が今後、空に月が二つ浮かんでいるのを見る日が来ないとも限らない、と今は思える。

 本作は過去の村上作品を想起させる点がいくつもあってその辺を揶揄する人もいるようだが、私は氏が手持ちの駒を総動員して、既視感のある新しい世界、というようなものを見せてくれたようでかえって嬉しかった。

 この小説は誰がどう読んでも、もちろん完結などしていない。今は早く続きが読みたい。氏も大ファンである『スターウォーズ』を例にとるならば、今は2作目の『帝国の逆襲』を見終わったときの気持ちに似ている。ハンソロは石のように固められ、レイアは捕まり、ルークは腕を切り落とされる。

 解決されていない謎が一杯あってそれを知りたいのももちろんだが、これは青豆と天吾の壮大なラブストーリーとも読め、早く二人の愛の結末が知りたい。

 それにしても不思議な話。リトル・ピープルとは何か?空気さなぎとは?

 そしてこの小説のテーマとも言えるヤナーチェックの『シンフォニエッタ』。『スターウォーズのテーマ』のように聞こえるのは・・・・・・・私だけか(笑)。

 早くBook3が読みたい。

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