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映画『コーヒー&シガレット』~禁煙サーフィン

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 煙草を10年くらい止めていたが、今年の夏頃からまた本格的に吸うようになった。理由は吸ってみたら美味しかったから。昔は吸いつつ吐き気などを催したり喉が痛くなったりと、不快なことこの上ないのに止められないといった風だったが、今回はそういうことも無く、楽しみの一つとなった。

 大体昔から僕の場合、吸い方は決まっていて昼間は全く吸いたくならない。身勝手な話だが吸っている人を見ると不愉快でさえある。なのに夕方から夜にかけて段々と肺がむず痒いように感じてきて、その後、爆発的なチェーン・スモーカーとなる。レベルは全く違うが、かつてキース・リチャーズがドラッグに関して「ツアー中は大丈夫。俺の場合、オフの時が問題だった。」と言っていて、僕の煙草もそれと同じだ。自己分析すると、僕の場合もホッとしたいから吸うのじゃなく、ある緊張感を維持していたいから吸うと言う方が当たっている。健康にリスクがあるのがまた良くて、無意識だがそこには一種のマゾヒズムも含まれている、と思う。

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 当然、煙草を吸うと食欲が落ちるので、みるみる体重が減ってきた。鏡を見るとなんとなくスッキリしてきて、身体も軽い。“煙草健康法”などと言って家族に呆れられていたが、多分、ちゃんと調べればあらゆる数値は下がるか正常値に戻るかしていた筈で、その位体調は良かった。

 しかし、である。当たり前だが段々と不快感が増し、生活に不都合が生じてきた。中でも一番嫌だったのが寝覚めが悪いこと。朝くらい爽やかに過ごしたいのに目覚めたと同時に何やら口の中が気持ち悪るく、吐き気がある。そして自分の息が臭いのが分かる。絶えず気分が鬱傾向で、また意味無くイラつくようになった。大きく深呼吸しても本来100パーセント酸素を取り入れられるところ70パーセントしか入ってこないような息苦しさがあり、そして持ち物が増えるのもなんとも面倒臭くさかった。例えばさっき一箱買ったばかりなのに離れた場所に置いて来てしまい、しょうがなくもう一箱買ったりとか、ライターが無くて探し回ったりとか、元々身の回りのものをきちんとしておけず忘れ物ばかりしている僕には煙草というのは全く不向きな代物だった。

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 で、生涯2度目の禁煙ということになったのだが、その方法。まず自分が一日の中でどういう時間、状況で煙草を欲するのかを良く分析することにした。結果、上述したが私はどうやらオンからオフに意識が切り替わろうとする時、オフになりたくなくて!吸うようであった。こう書くともの凄い仕事好き人間のように思われるかもしれないがそうじゃなくて、ただあるテンションを維持するための小道具という面が強く、身体に悪いという点が微かにタナトスを刺激して、それでかえって充実感&正気を得るみたいな捩れた感覚がその正体。

 身体は正直なもので毎日ある時間になると必ず肺が悲鳴を上げる。結局はそれにじっと耳を傾け、そのウェーブが去るのを待つか乗りこなすしかないのだが、何度かやり過ごせると波は徐々に小さくなってきてやがて荒れた海が湖の湖面のように静かになる。とにかく第一波が強烈で、その時はジョンレノンの『コールド・ターキー』のようになるしかない。I wish I was baby. I wish I was dead !

 そしてもう一つ問題があってそれは酒。だいたい煙草は高校生の頃、酒と一緒に覚えた風であるので、アルコールを摂取すると条件反射的に煙草も欲しくなる。十年前、禁煙に何度もトライして失敗したのは全て酒が原因で、いくら止めていても仲間と居酒屋にでも行けば元の木阿弥だった。それで、しばらく酒も止めた。野球選手の掌から豆がなくなるまで・・・みたいななんかそんな感じ。完全に自分の中から喫煙の感覚がなくなるまでということにしたが、その辺の判断は難しい。細かく言えば飲む酒の種類や銘柄まで関係あるような気がした。

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・・・・・で、現在、無事禁煙に成功し、快適な日々を送っている。やはり寝覚めは爽やかな方が良い。お肌がスベスベして、何より飯・酒が美味い。煙草はいつも帰宅後、ビールを飲みながら吸っていたので、ビールをよしてウィスキーにしたら全然、大丈夫であった。

 一度目の禁煙成功と今回とを比べて変った点が一つ。それは以前の時は自分も喫煙者だったのにも関らず喫煙者に対して非常な嫌悪があったが、今回は無い。吸いたきゃ吸えば、って感じ。ただマナーだけは守ってくれよってだけ。かえって煙草というものから、より自由になったような気がする。

                ☆ 

↑の映画は幾つかのオムニバスを集めて一つの作品とするジム・ジャームッシュの真骨頂だが、何組ものコンビ・カップルがコーヒーを飲みながら煙草を吸い、ただだべるだけの映画である。そしてジャームッシュが正当なビートの末裔であることが分かる。

 この中で個人的に一番面白いのがイギー・ポップとトム・ウェイツの会話。「俺達、煙草なんていらないよな!」なんて頷き合ってから、「じゃあ、吸おう!」って・・・・良いよなあ、精神の自由を感じる。

                ☆ 

 先日、I君からI・W・ハーパーの12年ものを頂いた。ここのところ毎晩、ちょっと高めのチョコレートを買ってきてそれと一緒にこのハーパーをストレート&チェイサーで飲むというのが日課なのだが、これは違うaddictの始まりなのだろうか?。“ウィスキー&チョコレート”。そして今 僕には今、もう一つ深刻な?addictがあるのだが・・・それは秘密です。

 煙草はもう欲しくならない。

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