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日本映画「監督・俳優」論~黒澤明、神代辰巳、そして多くの名監督・名優達の素顔

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著者:萩原 健一,秀実
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 自伝が出た時も映画『TAJYOMARU』で足利義政役で出演した時も復活が叫ばれたものの注目度はイマイチだったが、例のカリスマ主婦モデルとの交際が明るみに出て、やっと世間もその復活を実感したという(笑)、らしいと言えばらしいショーケンこと萩原健一。還暦にしてのその恋がよっぽどパブリック・イメージを上げたのか、あれよあれよと小栗旬と山崎のウィスキーのCMに出るまでになってしまった。

 彼に関してはこのブログでも以前かなり思いいれたっぷりの文章を書いているので、詳しくはそちらを読んでいただくことにして、ここでは↑の本を読んだ感想だけを手短に書いておきたい。

 まず、真っ先に思ったのは、ショーケンってウッドストック行ってんだなあ、って事。「六十年代後期的なことを糧にして」という章で証言しているのだが、会場で迷子になって、空にヘリが一杯飛んでいて、そしてジョニーウィンターを見たと言っている。

 またモンタレー・ポップ・フェスティバルにも行っていて、ママス&パパスのいい女の方とずっと見ていたとか、ジャニス・ジョプリンは汚かったとか、後から映画でジミ・ヘンドリックスを見て「あの時の、あいつだ。」と、思ったとか言っている。

 またまたエリック・クラプトンとロッド・スチュアートとミック・ジャガーとジョージ・ハリソンとスティーヴ・ウィンウッドらと飲んでいて、当時『セイリング』が大ヒットしていて天狗になっているロッドに向かってミック・ジャガーが「お前なんかただのの歌手だろ、アイアム・ローリングストーンズ!」って言ったとか、そんな話も(絶句)。

 その一方で俳優としては日本映画の歴史に残る並み居る女優達と競演している。北村谷江、杉村春子、岡田嘉子、田中絹代、京マチ子・・・こんな人、ちょっといないんじゃなだろうか。

               ☆

 私が知っているだけでもショーケンは今様々な映画の企画を抱えていて、まずは谷崎潤一郎の『痴人の愛』を原作とした『ナオミ』。その映画のシーンのためソシアル・ダンスを習っているとか相手役の女性をオーデションしているとかのニュースを以前、新聞で見た。

 また雑誌『寂聴』には盲目の少女を愛してしまった殺し屋を主人公にした映画とか、市川森一と列車を題材にした映画を考えているとか色々あって、一部には矢作俊彦の小説『傷だらけの天使~魔都に天使のハンマーを』を映画化しろ!というのもあるが(修は亮を殺した犯人ということになていて、ホームレスになっているという設定の小説。傑作)、つまり、ファンとしては早く「主演萩原健一」を見たいというのが正直なところだろう。

 この本を読むと、彼はGSが下火になって以降は、脚本書きや助監督から始めた(始めようとした)生粋の映画人であることが分かる。役者になってしまったのは岸恵子と競演した映画『約束』でのキャスティング上のハプニングだったのだ。

 だからだろうか、彼の作り手としての視線はとても冷静で、明らかに唯一リスペクトしている黒澤明や時代を共犯したとも言える神代辰巳に対しても、一歩引いていて批判すべきところは批判している。(バッサリと斬られているのは市川昆と泉谷しげる。この辺の舌鋒は読んでいて痛快)。映像に対する細部へのこだわりや作り手としての姿勢が尋常じゃなくて、これまで周囲との軋轢からくるトラブルの原因は彼のそんなマジさ加減によるものなのが、その語りから十分察しがつく。

 そして彼はいずれ自分で監督するんじゃないだろうか、と思った。その位、作り手としての“悪霊(ディーモン)”を抱えた人なのだ。

               ☆      

今、YouTubeを見ると、彼のライブ映像が沢山アップされているが、声を潰してしまって以降の映像は正直見ていて辛い。私の中で歌手ショーケンは『アンドレ・マルローLIVE』でとっくに殿堂入りしていて、彼が日本ロック・ボーカリストの最高峰だったとの思いは揺るがないものがあるが、その分、辛い映像の割りにコメント欄で激賞されていたりするのを見ると「もう、許してやってくれ」と、言いたくなる。昔、シアターコクーンでのライブを見に行ったが、あの時点でもう相当きつかった。皆さん、今後はもう“映画人ショーケン”一本に期待しませんか?

               ☆

 さて、再び↑の本に関してだが、一つ解せないところがあって、それは桂秀実と言う人のあとがきの文章。ショーケンを“百年の孤独を生きる「現代の危険な才能」”として、作家の故中上健二的な“路地”を体現している表現者として語っているのだが、ちょっとこじつけが過ぎるんじゃないかと思った。左翼的な切り口が過ぎていて、本文での質問の内容や構成は良いのに最後に大きく違和感が残るのが残念である。

               ☆

 私はショーケンと現在噂になっているカリスマモデルの冨田リカと言う人を全然知らなかった。それで、さっきネットで検索して見たのだが、いい女じゃないか、ショーケン。本当に復活したんだなあ、って、やはりそんなところで実感してしまうが・・・・・後は映画だよ、映画。頼みます(笑)。

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コメント

こんにちは、ショーケンのファンです。
時々拝見しています。

憶測ですけど、CMの撮影はリカさんとの話が出る前のように思うんです。髪の長さ的に・・・。
わざわざ公表することで、話題づくりの側面があったんじゃないかなんて勘繰っています。

こちらの記事、ウチのブログにリンクさせてください。どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: showken-fun | 2010年10月22日 (金) 08時13分

 showken-funさん、コメントありがとうございます。僕も時々拝見しております。リンク光栄です。こちらこそどうぞよろしくお願いします。

 CMは噂が出る前・・公表するのは話題づくり・・なるほど、そうかもしれませんね。

 復帰したばかりのころは角刈り?っぽくて、随分おじさんになっちゃたなあ、という感じでしたが、髪をのばしたら、やっぱりカッコいいですネ。

投稿: ナヴィ村 | 2010年10月23日 (土) 05時06分

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