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おやすみ

 

     おやすみは“お休み”
     目覚めていると結局
     心は忙しく働いてしまうから

     夜 
     自分の居場所はそこにしか無い
     とでも言うように
     きみは眠る

     飲みかけのグラスと
     低くかけられたラジオの音

     なのに 夢の中でまたしてもきみは
     プッチーニを歌い
     料理に舌鼓をうち
     古代語で詩を吟じ
     ナスカの地上絵を辿る

     まるで目覚めた時 心をまた
     忙しく働かせるための
     準備でもするみたいに

     おやすみは“お休み”
     電車が通り過ぎる音がすると
     街が灯りを消す

     その訪れる闇の中で
     ぼくはきみの背中に
     指で
     世界中の名画を落書きする

     「おやすみ」
    

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