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さよなら

 

     年老いた太陽が
     いつまでも水平線に触れずにいる
     時計は止まったままで ぼくら
     ずっと夕暮れの中にいる

     あの時、きみにさよならを言って良かった
     二人が知らなければならなかったことは
     二人でいたら きっと知り得なかったことだから

     あの時、きみにさよならを言って良かった
     賑やかなお喋りを止めなければ
     貝殻の音楽に 二人は耳を澄ますこともなかったから

     白紙のページの砂の上の
     幾筋もの足跡がつくる幾何学模様
     上空を飛ぶカモメは
     そこに
     どんな物語を
     読み取とることもしない

   
     ビールの泡立つ音
     それは太陽が海に触れる音
     そして二人の
     長いさよならが終わる音

     きみにまた会えて良かった
     驚いたことに
     きみは未だ
     ぼくの今日に潜む明日

     きみにまた会えて良かった
     時計は動き始め 陽が沈み 夜がくる

     きみにまた会えて良かった

     あの時 
     きみに
     さよならを言えて良かった 

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詩集「The letter」 (75)」カテゴリの記事

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