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詩の朗読ー「織りなす言葉、詩の礫(つぶて)~和合亮一」を見に行く。

Photo_2  6月に出演させてもらったイヴェンとの主催者だったWサンに誘われて、今日、和合亮一の詩の朗読を聞きに行った。場所は六本木のミッドタウン。21-21というスペース。「東北の底力、心と光。『衣』三宅一生」というイヴェントが催されていて、今日はその最終日だった。

  和合亮一を初めて知ったのは震災と原発事故の後すぐの週刊誌でだった。震災の被害に遭った福島在住の詩人がtwitterで短い詩を叫び続けていて、被災地その他で大きな反響を得ているとのことだった。

 今日、自己紹介の後、朗読の最初に、彼は震災から5日後の3/16のTwitterに“行き着くところは涙しかありません”と、書き記した瞬間、何かのスウィッチが入ったのだ、と言ったが、それは具体的に死を覚悟したということだろう。

 そして、その後、Twitterで、後に『詩の礫』と題されることとなる全霊をこめた“呟き”が開始されるのだが、それを今読む氏の朗読は、文字通りの小さな“嘆き”や“呟き”が集まりやがて大きな詩となる瞬間をドキュメントするかのようで興味深かった。そしてそれは、単に感情的に吐露された言葉のようでいて、実は知的に構成された言葉であることも良く分かった。やはりこれは誰にでも出来たことではないのだ。

 漢字学者の白川静氏の著作に日本語の“うた”の起源についての記述があって、それは『雄略記』、あるいは『播磨風土記』に出てくる天皇に矢で討たれた猪が天に向かって“阿太岐ーあたきーうたき”をあげる、つまり雄叫びを上げるというところからきているらしいことは、以前このブログの何処かに書いた。

 詩は現在『詩の礫』、『詩ノ黙礼』、『詩の邂逅』と』三部作を数えるが、私はやはりまだ詩の体裁を微塵も整えられていない混沌がそのまま残る『詩の礫』を選びたい。本は読み進むうちにダメージを受けた筆者の精神が徐々に回復していく様を辿るようでもあるが、3/16の最初の幾つかはやはり矢に討たれた獣の雄叫びのようであり、そのような意味でこの詩集は正当であると思う。これが詩なのか?と言う人もあろうが、そう、詩とは初めこのようなものなのだよ。

 ただ、私は震災と原発事故によって和合亮一を知ったので、それ以前の、平時において彼がどのような詩人だったのかほとんど知らない。

 帰宅中、何よりもそれを知りたいと思った。  

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コメント

昨日はお疲れ様でした。お誘いして良かったなと思いました。和合さんの朗読 期待通り良かったです。本日、NHK 総合19:30~クローズアップ現代で和合さんの特集があります。チェックしてみてください。

投稿: sami | 2011年8月 1日 (月) 13時07分

 昨夜はお誘い頂きありがとうございました。TVも今見ました。

記事は帰宅後すぐの書きなぐりのようなものですが、昨夜、話した内容そのままです。

 最近の、色々な人のリーディングをもっと積極的に聞いてみようと思いました。

 面白そうなのがあったら、また教えてください。
 

投稿: ナヴィ村 | 2011年8月 1日 (月) 21時23分

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