森と図書館
一枚の木の葉に秘められた真理を
読み解く森の人
その木からできた紙に書かれた知識を
持て余す街の人
図書館の本を全部読んだ人と
森の賢者の
どちらの人生が立派なのか
僕には分からない
「木」という文字でしか木を
知らぬことで起こる悲劇と
「木」を自然科学的に理解することを
知らずに起こる悲劇の
どちらの悲惨が大きいのか
計れないのと同じように
アルファベットも
『マルテの手記』も
1+1も
E=mc²も
ぼくらが初めて目にした時
それらは木に記されていた
本という木に
<図書館が好きな人のからだには、太古の昔、
森で暮らしていた頃のDNAが色濃く残っている、と
以前、ラジオで聞いたことがある。確かに森と図書館は
似ていると思う。>
森が死ぬと
地球という街角から図書館が一つ消える
だが
白紙の頁に秘められた真理を
君が読み解く時
森は甦る
| 固定リンク
「詩集「The letter」 (107)」カテゴリの記事
- My Humberger Stomp(2024.04.13)
コメント
僕が避難している長井市には全国に先駆けて制定された「長井市不抜の森条約」があります。
http://www.city.nagai.yamagata.jp/doc/4622b15a9a66274d492574dc001dabb6/35edf8df7df4e360492570260015c4f3
故郷を汚染されてしまった福島県人として、世界に向けて発信された「不抜の森・緑の地球宣言」を読むと何故か涙が滲んできます。
投稿: ほぴ村 | 2012年1月17日 (火) 16時39分