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Around the Book Store

City_lights_sf

 休日ー。ホーム・センターを見て歩くのが好き、という人は意外と多い。色んな商品があって一度に何でも揃うし、物の値段を見て歩くだけでも楽しいらしく、それは買い物という以上に何か癒し効果的な側面もあるようだ。

 残念だけど私には全くそうした性向が無い。だから買い物に家族と行くといつも私が急かしているようになって嫌がられる。

Citylights  その代わりと言ってはなんだが、備わっている習性としてややそれに似ているものがあるとすれば、私の場合、それは、本屋、もしくは図書館好き、というところか。良く知人に「そんなに、しょっちゅう出歩いていて良く行くところがなくならないですね。」と言われるが、何のことはない、私は近所の、もしくは都内の本屋か図書館をぐるぐると回っているだけなのだ。

 今、本屋というのはすぐにつぶれる。大型古書店が当たり前になり、図書館の設備・機能が充実してくると、皆、新刊で本を買わなくなる。私が住む周辺でも、これまで一体何件の書店ができては姿を消したことか。その度に私は行き場を一つ失う。以前、ラジオで本(紙)というのは木で出来ているから自然と本のある場所に足が向く人は森で暮らしていた頃の記憶がDNAに深く刻まれているのだ・・・というような話を聞いた。以来、書店・図書館が一つなくなると、私は森が一つ消失したような気になる。森が消えて佇むオラウータンのような気分に。

Lellobookstoreporto ただ嬉しいことに現在のような本屋暗黒時代が長く続くと、逆に個性的な書店が増えてくるのもまた事実で、買う、という目的以上のものを書店に求めている私のような者にとっては逆に嬉しい側面もある。店主の好みがもろに反映していたり、分野が細分化していたり、カフェのようになっていたり、ソムリエ!がいたりと楽しい・・・巷にはそうした本屋が段々と増えてきた。まだまだ主流になって来たとは言えないけど。

  http://fussa.underhead.jp/?eid=782713

  http://www.meggendorfer.jp/

  http://net-news.jp/articles/920090803_010258.html

                ☆ 

 ここで、我が心の本屋、Book Storeを一つ紹介したい。それはサンフランシスコにあるCity Light Book Store。

  http://www.papersky.jp/2011/02/08/citylightsbook/

City_lights_bag_004_photo1_3  20年以上前に一度行ったきりだが、行って、我が心の~になったのではなく行く前からそうだった。一種の聖地。私は十代の後半からアメリカ50Sのビート文学にイカレ、大学の卒論もケルアックだったので、出版部門を持ち、ギンズバーグやスナイダー、ケルアック等、当時まだ無名だった詩人や作家たちの作品を次々と出版・販売したこの書店にはずっと憧れを抱いていた。City Lightsが出したそうした人々の作品がサンフランシスコ・ポエトリールネサンスと呼ばれるムーブメントになり、やがて世界の文化に大きな影響を及ぼす事になる。

 私が行ったのは1989年で、ちょうどウッドストックから20年目の夏でヒッピー文化がリバイバルされちょっとしたブームになっていた。そして、そのヒッピー達の兄貴分であったビートたちも注目され盛り上がっていた。

 私がその時買ったのは、ジャック・ケルアックの代表作「路上(On the road)」と詩集「メキ シコシティ・ブルース(Mexco city Blues)」のペーパー・バック、それとやはりビート周辺で活躍した女流詩人ダイアン・デプリマの詩集「革命への手紙(Revolutionary Letter)」の3冊。今、ホーム・ページを見ると書店のロゴが入ったTシャツやバッグが売られていて、私が行った当時よりさらに観光名所といった面が強くなっているようだ。

 この時の旅で、その後、私はマサチューセッツ州ロウエルにあるケルアックの墓に行き、そこで偶然、彼の未亡人ステラ・ケルアックに会った。上述のケルアック作の本2冊にサインを貰ったが、「路上(On the road)」の方は誰かに貸して戻ってこなくなってしまった。「メキシコシティ・ブルース(Mexco city Blues)」」の方は今も本棚にあるが、今、見ると“To Hiroshi”が“To Hirofhi”になっている。何故だろう?

              ☆

Store_gaikan 身近な話からいきなりアメリカに話が飛んでしまったが、東京に戻ってもう一軒。それは渋谷道玄坂にあるFlying Books。

 http://www.flying-books.com/store.php

 ここは小さいながら出版部門もあるし、CDも独自に出していたりで、City Lightsに影響を受けているのは明らか。その他、朗読や講演などの活動もしていて、現在起きている様々な問題をじかに話し合える出会いと場所を提供してくれている。以前、このブログの“指定席”にリンクしていたが、リンクが増えて気づかぬうちに画面から消えてしまったので今回改めてリンクしておこう。

 まだネットでの買い物がこんなに普及する前は、一冊の本を探すためだけに東京中を歩き回ったりしたもので、そんな事が休日だったりデートだったりした。そして、見つかると、とてつもない充実感があった。きっと私の中のある部分は、その頃で時間が止まったままなのだろう。

 さて、今日の日曜日、どうやって過ごそうか。

 「俺のことは、日曜日の午後のジャムセッションで 蜿蜒(えんえん)とブルースを吹きまくるジャズ詩人だと思ってほしい」 by ジャック・ケルアック 

            ☆

PS  久々にビート二クスの話が出たので余談をもう一つ。長い間、話が出るたびに立ち消えになっていたジャック・ケルアックの『路上(On the road)』の映画化がついに実現し、今年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映された。監督は『セントラル・ステーション』、『モーターサイクル・ダイアリーズ』のウォルター・サレス。ウォルター・サレスはドキュメンタリー出身の監督なので、このフィクションとノン・フィクションの境が曖昧な作品に合うのではないか、と想像する。なんにせよ、コッポラでなくて良かった。年内に全米公開とあるから、日本はもう少し後だろう。

http://youtu.be/a4V66-8AjII

 

PSのPS もし、ジャック・ケルアックとその代表作『路上(On the road)』に興味を持たれた方は↓を。

 http://penguin-pete.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_e3b1.html

 http://penguin-pete.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_a1b0.html

 

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