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イチロー、ヤンキースに移籍。

Photo   朝、ニュースを見ていたら速報が流れて、また、どこかで地震か?と思ったらイチローがヤンキースに移籍したとのことだった。

 私はイチローより松井の方が野球人として幸せだとずっと思っていた。弱いマリナーズで数々の偉業を達成したイチローはそれだけで偉大だが、時として野球をしているというより何か特別な種目のゲームを黙々と続けている人のように見えたからだ。

 しかし、野球を一度でもしたことがある人なら言わずもがなだが、いくら自分が活躍できてもチームが負ければつまらないものだ。いや、違うな、自分が打てたりしたことは嬉しいが、チームが勝つことの方が何倍も嬉しい、と言った方が正確だ。4打席4ホームランを打っても負ける時は負けるし、どんな失態をしでかしても勝つ時は勝って、つまるところ野球をする喜びというのは勝利という小さな奇跡に自分がどのくらい貢献できたか、というところからくる。シスラー越えをした時より、WBCの優勝祝賀会で上原にビールを吹きかけられていた時の方がイチロー自身、絶対嬉しかったと思う。

何故そうなってしまったかというのは、もちろんイチローのせいではない。彼はひたすら全力で自分の野球をしていただけで、強いて原因を挙げるとすればそれは運命だったとしか言いようがない。

 去年3割を切り、連続200本安打の記録が途切れてイチロー自身はホッとしているのじゃないか?と言う人がいたが、私はそんなことは絶対にないと思う。プロである限り最高の状態をいつまででもキープしていたいと思うに決まっている。ただ、記録の種類が種類だっただけに、これからは違う形で野球が出来る、したい、とは思っただろう。

 イチローが記録の重圧から逃れて、本当に勝ち負けだけで野球ができるのはWBCだけだと私は思っていた。だから一報を聞いた時、私は先日、日本が次回のWBCに出ないと正式に決めたことが、何か影響あったのでは?などと勘ぐってしまった。

イチローが大リーグで活躍し始めた頃、ちょうど小泉改革とやらがあって、単身一人でアメリカに行って結果を出す彼をその最高のモデルのように言う人達がいたし、ある程度それはそうだったのだろう。イチロー自身が意識していてもいなくても。

ただ、これからはヤンキースでチームバッティングに徹し、日々勝利という奇跡に貢献し、仲間と歓喜し合うイチローを見たい。孤高の剣豪のような彼から今まで貰った勇気とはまた別の種類の励まされ方をするような気がする。そして、それを見る時、私達の周囲で少しだけ何かが変わるような気がする。8番ライト イチロー、いいじゃないか。

しかし、今日、会う人会う人、皆、川崎の心配をしていたのが可笑しかったナ。

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