« 2012年5月 | トップページ | 2013年6月 »

誕生日(Candle&Lighthouse)

 

     マーマレードみたいと思っても
     口に出しては言わないよ
     陳腐な形容詞はいつだって
     きれいな朝焼けを
     ありきたりな一日にしてしまうから
   
     

     でも、「今日は残りの人生の最初の一日」
     と言われるより
     「今日は昨日の続き」と言われた方がいい
     何故なら昨日も君といた
     ずっと「今日は昨日の続き」と
     言われた方がいい
    
     

     ダイエット中なのでケーキは食べないが
     蝋燭の火は点けてあげる
     吹き消さなければこの蝋燭は
     一体、いつまで点いてるのだろう?
     
     

     炎が揺らめく間がお祝いなら
     蝋燭は大きいほうがいいね
    
     いつか二人で見た
     故郷の海辺に立つ
     あの灯台くらいの蝋燭なら
    
     

     とは言え 炎を吹き消した一日の終わりに
     こうして君と眠りにつく時
     なんだかぼくはほっとするんだ
    
     一つ年を重ねた君は
     まるで
   
     ぼくの灯台みたいだよ    

 

 今日は妻の誕生日です。おめでとう。

| | コメント (3)

     しがみつく手を幹から放し
     蝉は地に昇天した

     最後に目に映じたのは
     揺れる緑の葉と枝と
     その間を流れる
     雲

     青空ー

     時々 虫取り網を持った
     子供らに
     風のように追われもしたが
     大概、お前はじっとして
     宇宙語みたいな
     梵音を
     ずっと夏中
     唱えていたっけ

     真言を生きる
     蝉の一日は十年 ゆえに
     蝉の寿命は七十年
     労働に明け暮れる
     ぼくの十年は一日 ゆえに
     ぼくの寿命は七日 あと三日

     昼休み 神社の境内に寝転ぶ
     ぼくの目に映じるのは
     揺れる緑の葉と枝と
     その間を流れる
     雲

     青空ー

     ミーン。

| | コメント (0)

« 2012年5月 | トップページ | 2013年6月 »