第十二代市川團十郎逝去
昨日の早朝、Yahooのニュースで團十郎が亡くなった事を知る。去年末に亡くなった勘三郎の喪に服するつもりで、年明けは歌舞伎を見なかった。せめて四月の新歌舞伎座が出来るまでは待とうと決めていた。そして、そこで團十郎を見ようと思っていたのだ。茫然自失。
勘三郎に関しては、その死を思う度、「あ、オレはこの人がいない世界を今生きているんだ・・・。」と思い、悲しくなる。肉親や知人でも無いのに、こんなことは中学2年生の時のジョン・レノン以来。か、もしくはそれ以上。じかにそのエネルギーに触れたというのがやはり大きい。で、團十郎も同じだ。幾度、團十郎の舞台を見たことだろう。ただ今となって一つ悔やんでも悔やみきれないのは彼の「勧進帳」・弁慶を見なかったこと。歌舞伎座さよなら公演の時、早朝から並んだのだが・・・見れなかったのだ。
あの歌舞伎座が壊されて以降、一体、何人の名優の訃報を耳にしたことか。やはりあの歌舞伎座は壊すべきではなかった。改装で良かった。新歌舞伎座のこけら落とし初日は4月2日。新聞である劇評家がそのことに対し、松竹に真剣に怒っていた。
僕が見た舞台で一番忘れがたいのか「毛剃(けぞり)」。歌舞伎の醍醐味を十二分に堪能できる素晴らしい舞台だった。そして、あの歌舞伎座での最後の演目だった「助六」。勘三郎といい、團十郎といい、自分がどんなに良いものを見たのかを改めて思った。あの、歌舞伎に耽溺し、この名優たちを見続けた日々は自分の生涯の宝だ。しばらくは録画してある「パリの弁慶」ばかり見ることになるだろう。合掌。御冥福をお祈りします。
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