アースデイとニール・ヤングの「Mother Earth (Natural Anthem)」
今日はアースデイ。
http://www.earthday-tokyo.org/2014/
日本でこのアースデイが始められたのは1990年と言うから今からもう24年前の事になる。しかし、この24年は例えば「地球にやさしく」なる言葉が企業のイメージアップのためのキャッチコピーに堕していくのを眺めていた年月という気もして“マイ箸”とか“エコバッグ”とかいう言葉を初めて聞いた時にはまだ微かに漂っていた希望へのほのかな香りのようなものをぼくはもう思い出すことができない。企業や行政も巻き込んで、というのが初めの謳い文句の一つだったと思うが、巻き込んだのか、取り込まれたのか。
↑はニール・ヤングの「Mother Earth (Natural Anthem)」。原曲はカーラ・ボノフでも有名なスコットランド民謡の「Water is wide」。先日、朝ドラで主人公の女の子がこの曲を歌うことで窮地を脱する場面を見たが、この離れた恋人への切ない思いを込めた歌のメロディーを借りて、ニールは傷つき病んだ母なる大地へ捧げる賛歌を歌った。
この曲が収められたアルバム「傷だらけの栄光(Ragged Glory)」が発表されたのも1990年。詩の内容もさることながら、ニールの個性的な声に重なるクレイジーホースの美しいコーラス、それにディストーションがかかって歪んだギターが絡み付き、演奏自体が原発事故とその後の現状を表しているよう。24年たった今もこちらはさらに切実さを増して響く。
ハッピー・アースデイ。
マザーアース(自然の賛歌)
母なる大地よ
緑なす草原よ
またしても飢えた者たちの手で
ほしいままに荒らされながら
あなたはまだこの欲のみが支配する世界に
与え続けようと言うのですか
その恵みを その糧を
あとどれだけ続けられようと言うのです
その恵みを その糧を
あとどれだけ続けられようと言うのです
夏の空に輝く
炎の玉
その大いなる癒しの光の下で
パレードのように過ぎてきた日々
それらの日々も
あざむかれ続けてきたのだ
権力を手から手へ
順番に受け継いできた者たちによって
権力を手から手へ
順番に受け継いできた者たちによって
ああ 自由の土地よ
このままでほおっておいてよいのだろうか
通りが人のあふれかえるそのままで
母なる大地
マザーアースを讃えよう
その惜しみなく与え続ける術を学ぼう
さもなければぼくらはぼくらの子供たちの未来を
もうじき売りに出すことになるはず
ぼくらはぼくらの子供たちの未来を
もうじき売りに出すことになるはず
母なる大地 マザーアースを讃えよう
その惜しみなく与え続ける術を学ぶのだ
さもなければぼくらはぼくらの子供たちの未来の日々を
もうじき売りに出すはめになるのだから
(訳 室矢 憲治)
| 固定リンク
「音楽コラム(48)」カテゴリの記事
- "ザ・サブタレニアンズ"のライブを見た(2024.03.09)
- 五郎さんのライブに行った(2022.09.03)
- 最近、宇多田ヒカルを聞いている(2022.06.12)
- CD釣り~鱒のムニエルとFishermans' Blues(2022.05.15)
- アメリカの古いフォークソングを聞いている。(2020.01.06)
コメント
僕のFBで君のこの文書を紹介したらemiちゃんがこんな言葉を。
「ニールの演奏、最高。ぺンギンビートさんの文章もいつも素晴らしい。必読。迷った時は彼の文章を読むことにしています。」
投稿: ほぴ村 | 2014年4月20日 (日) 12時09分
紹介してくれてありがとう。Emiちゃんも。僕自身は迷いっぱなしですけど。
投稿: ナヴィ村 | 2014年4月20日 (日) 17時44分