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暴走族のBGM

Photo_3   今やってる能年怜奈主演の映画「ホットロード」の原作は累計売り上げ部数700万部突破の“不朽の名作コミック”だとか。「そんなの知ってた?」と何気に妻に聞くと「あら、うちにあるわよ」とあっさり言われた。知らなかった。そんな漫画があることも、うちにあることも。

 読んでいたのはきっと自分よりちょっと下の世代だと思うけど、描かれているのはドンピシャぼくらの時代の暴走族の話。ぼくはやっていなかったが周りにはこの漫画に出てくるようなクラスメイトが少なからずいた。さわりの1巻だけ読んでみたら「なーんだ、そういうことだったのか。」と、30年以上たって当時の友人に秘密のタネ明かしをされたような気持ちになった。

 映画の挿入歌は尾崎豊の「Oh my little girl」。暴走族と尾崎豊。やはり以前見た映画「下妻物語(2004年 中島哲也監督)」でヤンキー役の土屋アンナがパチンコ屋に流れる「十七歳の地図」を聞いて「尾崎か、負ける気がしねぇぜ・・・」と呟くシーンがあってちょっと面食らった。暴走族が尾崎豊を聞いて走るという時代があったのか。あったのだろうな、きっと。

 暴走族のBGMというと友人達はさらに上の世代から引き継いだようにキャロルやクールスを聞いていたような記憶がある。それとその流れから当然、矢沢永吉。Hound Dogとかも聞いていたな、Modsとかも。洋楽を聴いているという奴はあまりいなくて、それを聞くのはどちらかというと皆でつるんで走るというより本当にバイク好きで独りで走るというタイプの人に多かった気がする。高校の頃たまり場にしていたお店に常連で年上のとてもカッコいいバイク乗りの人が一人いて、その人は漫画で言えば「ワイルド7」見たいな雰囲気。60~70sのアメリカのバンドが好きだったみたい。 

 若い男女が二人乗りしたバイクで横浜とかを走ると夜景や朝焼けがきれいで絵になるから尾崎豊でもいいのだけど、田舎だと案外そうはいかない。高校の時、独りで走るバイク野郎の友人に乗っけてもらって授業をサボり郡山まであるコンサートを見にいったことがあるが、その時の体験からすると田舎の道は真っ暗で山越え谷越えでスリル満点だった。それは何かから逃げているようなスリルでもあって、まるでAllman Brothers Bandの「Midnaight Rider」の気分。まるでデュアン・オールマンの間奏のギター。空を飛ぼうとして宙に浮いた時の気持ちってきっとあんなだろう。

     服すらまともに持っちゃいないが
     道は永遠に続いていくさ
     もう1ドル貸してくれないか
     奴らに決して捕まりゃしないさ
     真夜中のライダーを
     奴らは捕まえる事なんてできないさ

  (Allman Brothers Band 「Midnaight Rider」拙訳 ナヴィ村)

 田舎にせよ都会にせよ走り続けてたどり着いた先が「今」の筈。だが、逃げ切ったのか捕らえられたのかはきっと誰も分からない。道は永遠に続く。答えはこれから出る。 

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