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グリーンツーリズム~山形県長井市で畑仕事ときのこ狩り

139_2  二ヶ月間続いた現場が先週の金曜日に終わり、翌土曜日早朝、息子と二人、東北道をひた走り山形県長井市に行ってきた。週末、東京は雨予報が出ていたが東北は快晴。高速を北上するに従って山の色が変わるのが分かった。福島は紅葉が今最盛期で、山形ではすでに終わりかけているといった様子。紅葉の美しさに目を奪われながらハンドルを握る息子に注意を促しながらのドライブは素晴らしかった。

 
 今回行った目的は長井市グリーンツーリズムネットワーク主催のイヴェント「すんべ!長井。」に参加するため。グリーンツーリズムとは何か?以下、そのパンフレットより抜粋。

 

 
 「グリーンツーリズム」とは、ヨーロッパ諸国で普及した農山村地域滞在型の余暇活動です。
自然豊かな農山村や歴史と伝統ある地域にゆっくりと滞在し、農作業や地域の自然、生活、文化等を体験し、地域の人々との交流を楽しみます。
 日本では、市民農園、田植え、稲刈り等の農作業への参加等の農業・農村体験から、学校教育を通じた体験学習、産直等農産物の販売やふるさとまつり等のイベントまで、広く都市農村交流一般を指すことは多くなっています。 
と、ある

今回の滞在中、この「グリーンツーリズム」を説明してくれた人曰く「わかり易く言うと、昔、テレビ東京で「田舎に泊まろう!」って番組あったでしょ。つまり、あれ。」と言う事だった。なるほど、あれか。分かりやすい。旅館での「宿泊」はなく民家に「民泊」し、様々な体験をしようというもの。

 
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 ぼくと息子が体験したのはブロッコリーの収穫作業と交流会&きのこ狩り。着いた初日は福島からの避難者からなる福幸ファームの畑でブロッコリーの収穫と袋詰め。原発事故直後、長井に避難してきていて今は伊達市に帰還を果たしたというご家族と一緒に作業した。今年は夜盗虫が大発生で無農薬で作る畑は被害を被ったとの話だったが納屋に戻ってからのぼくの役目はその「夜盗」を探すこと。出荷前のブロッコリーの茎の部分に懐中電灯を当てて虫を見つけたら皆殺し。「お縄にかかる必要はねぇ、死ね。」って、気分は鬼平。PM2:00~4:00までの二時間。石油ストーブの上で焼いたあんのう芋を食べながらの作業。楽しかった。

 
 その後、夜は蔵高宿での交流会&前夜祭。蕎麦打ち名人のつくるお蕎麦と地酒、伊左沢の食材を使ったイタリアンとワインの夕べ。地元での取れたての野菜は一々味が濃くて、それを使った料理はどれも美味しく、食事とは自然からエネルギーを頂く行為だったんっだと改めて実感した次第。食べただけでぐんっとパワーアップした感じ。酒はトスカーナの赤ワインとシチリアの白ワインで美味。少々、飲みすぎた。
 
 二日目の日曜日は「はっぱ塾」主宰のきのこ狩り。
 
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 山形市、米沢市等から集まった4~5家族の方たちとご一緒。簡単なものを予想していたら、砂防ダムを作るための、普段は工事車両しか入れないという山道をどんどん上っていって本格的。分け入った山の木々にはなめこ(写真)、むきたけ等。この辺りは熊が出るところで、「みんなでワイワイしていれば熊は近寄って来ないから・・」とのガイドを聞いて、そのせいか子供たちが真剣にワイワイしていた。そして、意外ときつい山の斜面をハアハアしていた大人たちも、きのこを発見すると一瞬で野生化。木に登り、枝をかきわけして熊も逃げる勢い。ガイドして下さったはっぱ塾の八木さんの話では、きのこ取りの名人は食べられるものとそうでないものを見分けるために“食べる”のだとか。食べて、気持ち悪くなったら手を突っ込んで吐き出せ、という事らしい。うん、分かりやすい。

 で、きのこ狩りが終わって下山し、ドライバー達だけ車を取りにまた例の道路を1台の車に便乗し登っていくとき、山の斜面に黒い生き物が動くのを一瞬、目撃。何だったのだろう?

 取ったきのこをもって公民館に行ってからは餅つき。あんこ餅、納豆餅、それときのこの入ったお雑煮を食べて、出会った人たちと自己紹介がてら楽しくお話していたら、あっという間に時間が経ってしまった。
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 東京に帰ろうと方々に挨拶すると、「来週は鈴木酒造で「甦る」の仕込みがある・・それでその次は・・・」と様々な「体験」を持ちかけられた。仕事を持っているのでそうしょっちゅう行き来できないが、また充電しに来ようと思った。良い休日だった。↑の太字の「・・・ゆっくり滞在し・・・」という部分がまた出来なかった。ま、宿題だな。
             

   

      都市と自然を貫き 闇を泳ぎきった光が
      ハイウェイの彼方にこぼれる最初の一滴を
      君は見たことがあるか
 
      濃い緑の山の木々が
      レモンイエローに
      そして ワインレッドに変わる瞬間を
      目撃した者は未だにいない
      神がアトリエで仕事を終え
      キャンバスに署名する段になって
      初めて
      人は その美しさに目を奪われ
      野性の呼び声に
      耳を澄ますのさ
 
                      「True Colors」

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