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CM 「ただいま!いわき」を見た。

 先日、高円寺のグッドマンで催されている友人の写真展会場で同郷のイヴェントプロデューサー・Sさんに会った。話は共通の知人の息子さんの話、彼が水戸といわきで経営するライブハウスのこと、また彼がプロデュースしているアイドルグループの事など多岐に渡ったが、どうしても最後は原発と放射能の話になった。また東京では決して報道されることのない事件の数々のこと。

 当日、自身も打楽器奏者である写真家と、もう一人のドラマーの即興に併せて詩を読んだりして楽しかったが、聞くとその初対面のドラマーは浪江出身で、なんと僕の友人のシンガーソングライターのアルバムでドラムを叩いている人だった。僕らと同じ福島県人ということで写真家が呼んでくれたのだった。今、東京で"福島県人"と言うだけで何か言葉にならない暗黙に了解されるものがあって彼ともそうだった。

 

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 写真はいわき市がPRに作ったCM"ただいま いわき"の蒼井優。

 http://youtu.be/py1B7OvR0M0

 映画「フラガール」以来、彼女はいわきのミューズだが、あの映画も斜陽のエネルギー産業(炭鉱)従事者たちがどん底から再生を果たす物語だった。今、いわきは復興バブルで黒字倒産の店まで出る様相らしいが、覆っているのは明るい闇。本当は暗いトンネルに差す一条の光のように優ちゃんの笑顔は輝いて見えて良いはずなのに、コントラストが無い分、胸に刺さらない。

こうしたCMが作られる一方、先日も福島第一原発からは高濃度汚染水が外洋にダダ漏れしているニュース。アンダーコントロールって何だったんだ?

 この笑顔が何かを隠蔽しているとかそんな穿った見方はしたくないが、起きていることの事実が届くメッセージをいわき市はもっと外に発信すべきではないかと思う。漫画「いちえふ」にあるように作業員たちの多くはオフをいわきで過ごす。昨日、久しぶりに「フラガール」を見たら、ラスト近く、坑道に入って行こうとする鉱夫たちの姿が廃炉作業員たちと重なって見えた。

 短いCMの中に取り上げられている塩野崎灯台、アクアマリンふくしま、松柏館、白水阿弥陀堂。皆、僕の好きの場所でどこも懐かしい。が、今はその懐かしさに憤りと悲しみが含まれている。

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辻仁成の「ムスコ飯」

 確か作家宮内勝典氏の対談集『戦士のエロス』(集英社)の中で、人種、思想、宗教を越えても最後には性差が残る、、、と言っていた辻仁成。中山美穂との離婚報道の時、彼の中性化が原因・・と言われ、初め気味悪がられていたけど、今はその子育てぶりが好感を持って受け入れられているみたい。

↓は彼が愛息のために作る日々の料理のレシピとエッセイが綴られているブログ、「希望回復大作戦~ムスコ飯」。どの料理も美味そう。そしてエッセイも泣ける。

 http://jisin.jp/serial/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A1/musukohan/10427

 "ボヘミアンとは、インターナショナル・マナーを持ち、自分の心、自分の肉体、自分のセックス、自分のアート、自分の結婚、自分の人生を良く把握している人の事。そして自分自身の検閲からも、自分自身の抑制からも、自由で、実験の心を持ち続ける人のことなんだ"とはかのアレン・ギンズバーグ。
 

 彼はボヘミアン。「世界はたった一つじゃない」って意外と思いつきそうで歌われないフレーズだと思う。昔から日本の男は皆不自由だと思っていたが、今は女も不自由そう。何がって「頭の中」が。子連れロッカー、精神の自由を感じる。 

instagramの写真も好きです。↓

http://instagram.com/tsujihitonari

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ドラマ「奇皇后」を全部見た。

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 現在、NHK・BSで放送中の韓流ドラマ「奇皇后」を全部見た。たまたま第24話をテレビで見て興味を覚え、ネットの動画サイトで第1話を見たらハマってしまった。

 テレビ放送中の巻に追いつければと思って見始めたが、気が付くと時すでに遅く中毒状態に。「この続きどうなるのだろう・・・」の連続で、結局、全話見てしまった。全51話。疲れたが、見終わってしまって今はなんだか寂しいくらい。

 14世紀、高麗が元に支配されていた時代。貢女(コンニョ)の身分から皇后に上り詰めた実在の女性の話。物語はフィクションだが、大陸と地続きだとこんな物語が可能なのかと舌を巻いた。

 何せ長いので途中、繋がりが不自然だったり、二転三転する登場人物たちの立場に感情移入し辛いところもあったが、それでも見せてしまうのはそれぞれの役者の演技が良いからだろう。特に主人公スンニャン=ヤン・イを演じるハ・ジウォン。キレのあるアクション、ラブロマンス、カリスマ性・・・だいたい韓流ドラマを見るときは日本版でリメイクしたらこの役はだれそれ、と想像しながら見るのが常なのだが、この役だけは誰も思いつかなかった。凄い女優さん。

 また特筆すべきは数々の悪役たち。ヨンチョル、タンギセ、タナシルリ、ヨム・ビョンス・・・・目抜き舌抜き、毒殺、絞殺、焼印、鞭打ち・・・・拷問何でもアリの、彼らはもう本当に身の毛もよだつほどの悪人だが、彼らの策略に立ち向かうスンニャンの知略・機略が闘いを増すごとに彼らと同等の謀略、陰謀に育っていくさまが怖かった。これは凡百ある勧善懲悪の話ではない。そして、この悪人たちがそれぞれ物語から退場する時のセリフが意外にも物語に深みを与えていた。

 女性ならタファン(元の皇太子、後の皇帝)とワン・ユ(高麗の世子、後の王)のどちらがタイプかなどの話にもなるだろうが、ネットを様々覗くと案外ペガン将軍の甥で軍師のタルタルが人気のようだ。後にスンニャン=ヤン・イの影の師匠となるタルタル。なるほど男臭い戦場で彼だけ少女漫画の王子様風。テレビの吹き替えで見ている方には、是非一度、韓国語・日本語字幕で見ることをお勧めする。タルタルは顔に似合わず低音のイイ声で、魅力倍増することが請け合いです。

 NHK大河のほぼ一年分の量を、短期間で、言わばずっと韓国語のスピードラーニング状態だったので、そろそろ何か話始めてしまえそうな気すらしているが、覚えた言葉は「ペーハー!(陛下!)」だけ。ただ韓国語と日本語に同じ(似ている?)単語、語彙があることに気づいて個人的にはそれも面白かった。

 이 드라마 재밌어요 い どぅらま ちぇみっそよ~。

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