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河口湖畔で富士山を見た。

 昨日、息子が山形から帰ってきて、今朝、娘が出かけて行った。何故、一人づつ行くんだ?で、その息子、今度は目覚めるなり「以前、タイ人の友達と河口湖畔のほうとう屋に行ったが自分は二日酔いで食えずその事が心残りだよって今日はその店まで行ってほうとうを喰うこととする。」と突然、宣言。珍しく妻も今日は出かけたい気分だと言い、本来家でうじうじしているのが好きな僕も半ば拉致されたように山梨県富士吉田まで行くことに。

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 娘を府中本町駅まで送り、その後、中央フリーウェイへ。1時間もすると雄大な富士山が見え始め「おお、」「うぉう!」「あら~」と三唱することしきり。そして高速を降りると間もなくして件のほうとう屋に到着した。店の名前は「もみじ亭」。ほうとう屋だがそばも有名らしくぼくはそばにする。妻「かぼちゃほうとう御膳」、息子「きのこほうとう御膳」、ぼく「とろろそば御膳」。以前なら家族でこんな風に出かけても運転手はぼく一人だったので酒など御法度だったが、本日は息子の運転なのでお銚子を1本つける。こういう事ができるようになった。酒は"甲斐の開運"。美味。

 食後、湖畔から富士山を眺める。富士山が先頃、世界遺産に登録されたのはその文化的な意味を含んだところが大きいと聞くが(世界文化遺産)、ぼくがいつも思い出すのは金子光晴の「富士」という詩。

 http://www.slownet.ne.jp/note/detail/200905111211-2000000

 金子は戦中、息子を松の煙で燻し、醤油を飲ませ、徴兵を回避させのに成功するが、詩には息子が戦火を右往左往している悪夢を見た時のことが綴られる。そして、最終連はこう。

      雨はやんでいる。
      息子のいないうつろな空に
      なんだ。糞面白くもない
      あらいざらした浴衣のような
      富士。

  日本の詩歌の歴史の中で富士を"糞面白くもない"と書いたのは金子だけだろう。日本人の日本的な情緒性が実は諸悪の正体だと見極めたかのような最後の言葉は、アジアを広く放浪した反骨の人、金子光晴の真骨頂だと思う。

 今日、僕の隣には息子がいた。富士山は美しかった。

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