盆が終わった。
敬愛する詩人の故諏訪優さんの晩年の詩集に「太宰治の墓 その他」という詩集がある。太宰治他、永井荷風、芥川龍之介、河井継之助、ジャック・ケルアック、エズラ・パウンド等々、古今東西の詩人や作家、また歴史上の人物の墓前に立った(また立ったつもりになった)感慨を綴った詩集。
諏訪さんとの事で今思い出しても顔から火が出るほど恥ずかしい思い出は、22、3の頃、知り合えた事で舞い上がって、書きなぐったようにして一晩で書いた詩のようなものを師のお宅に送りつけたこと。後日、会った時、傍若無人にも「読んでくれました?」と聞くと、その名の通り優しい諏訪さんは苦笑して「ああ、素直で良いよ。」と、言ってくれた。が、多分、そう言うしかなかったのだろう。今、考えてもあれは酷い書き物だった。
お盆ということで今年は例年に増して集中して墓参りをした。実家の墓は勿論、義父母の墓、友人の墓等々。そして、墓参りの度に不遜にも思うことは、自分は墓場が好き、ということ。これは諏訪さんの上の詩集が多分に影響している。「詩」と「死」は繋がりがあるのだろうか。義父母の墓は宗派、宗教問わずの霊園なので、様々な墓がある。行くといつも広い霊園の中、それぞれの墓碑銘・墓誌を眺めながらしばし散策し、陶然とした気持ちになる。 諏訪さんお葬式にはかの下村誠と行ったが、その彼も故人となった。因みに僕は両人の墓に今だに行ったことがない。
盆が終わった。また会いましょう。必ず。
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