北茨城市の五浦海岸・六角堂に行った。
昨日、墓参りにいわきに帰省途中、北茨城の五浦海岸にある六角堂に行った。六角堂はあの岡倉天心が思索の場として自ら設計したもので、国の登録記念物とされていたが2011年3月11日の津波で消失した。現在あるものは2012年に復興のシンボルとして再建されたもの。昨日、施設は休みでそばには寄れず、写真は五浦岬公園から撮影したもの(左の小さいやや赤みがかった建物が六角堂)。
この六角堂周辺は好きな場所で以前にも書いた。
http://penguin-pete.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_da7f.html
東京では未だ銀杏の葉が残っていたりして異常気象だと苦笑していたが、昨日は寒く、さらに緯度を北にする岬の突端でそれは一入だった。海はいつまでも見ていたい様な深い藍色で、悔しいほど暮れの寒さに合っていた。自分は知らなかったが「天心」(2013年 松村克弥監督)なる映画があるようで、公園内はそのロケ地であったようだ。天心がこの地に創設した日本美術研究所の建物が復元されていて、中に後の日本美術の大家達の人形が一列に並んで創作に励んでいた。
食事の後、郵便局で風景印を貰おうと思いたち、この付近のものなら当然この六角堂の風景を表わしたものだろうと思ったら、違った。興味が沸いて局員の女性に聞くとそれは地元の「御船祭」の様子なのだと言う。5年に一度、船に神輿を乗せてこの辺りを練り歩く奇祭があるのだとか。いつ頃のどんな季節に行われるものなのか。いつの日か見てみたいと思った。http://sakuragawa.tsukuba.ch/e252698.html
年末年始は家族でいわきに帰省し、親・兄弟家族と過ごすのを長く通例としていたが、原発事故以降、弟家族が避難して、それもかなわなくなった。帰ってきた、と、以前は安堵して見た風景が、自分の中で少しずつ一つの旅の風景に変質してきたのに少し驚く。
いわきでは50にして初子を儲けた友人の店「グリニッジヴィレッジ」へ行きお祝いし、そこでライブハウス「SONIC」の経営者兼、バンド・JUCE&LOVEのリーダー兼、ご当地アイドルグループ「アイくるガールズ」プロデューサーでもある関さんとも会う。先行発売で今はこの店でだけ買えるバンドのニューアルバムを購入すると、“東京でも宣伝して・・・”とタダでもう一枚貰う。それと「アイくるガールズ」のアルバム。墓参り後、帰りの常磐道はこの2枚のアルバムを聞きながらひた走しる。
アイくるガールズのアルバムの中に関さん自身が作詞・作曲に関わった「明日ね!マイフレンド(ピアノ Version)」なる曲を見つけたが、それは特異な言葉遣いの自身のバンドのナンバーとは真逆な、震災後の地元民の心象を綴ったと思われるベタな歌詞。それを地元のアイドルに歌わせるという関さんの照れ&捻じれ具合が面白かった。
https://www.youtube.com/watch?v=0KTI5LY978Q
JUCE&LOVEのニューアルバム「50/50 フィフティ・フィフティ」については機会を改めて是非また今度。
一年が終わる。皆さま、お体を大切に。良いお年を。
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