猫の爪
時々、無性に猫の爪を切りたくなる。昔、猫を飼っていた時、肉球を押すとぴょっと飛び出す尖った先端を専用の爪切でプチプチ切ってやるのが好きだった。神経がとどいているので深爪すると痛がるし、だからと言って先っぽだけちょっと切っただけではすぐに伸びてしまうので切るにも相応な長さがあった。そして、切られた後、猫は悔しいのか恥ずかしいのか、爪砥ぎをガリガリと引っ掻いて、なんだか「チキショウ、チキショウ・・・」と言っているようで可笑しかったっけ。
先日、テレビを見ていたら、今、ペットとして飼われている動物の数を猫が犬を抜いたのだとか。色んな事情があるのだろうが、一番の理由は人間自身に猫的な人が多くなって、同類を求めるようになったというのが本当じゃないかしら。なにしろ野良犬を全く見かけない代わりに猫を見ない日はない。敗残兵のようなボロボロなのも時々見かけるが、大概は栄養状態もよさそう。
写真は借りている駐車場で、毎朝、隣の車の屋根で寝ている猫。自分を見ても逃げなくなったので、写真を撮ろうとガラケーを向けると、さすがに飛びのいた。だがその後、余裕をかましてあくびと“のび”。丸々と太っているので飼い猫だろう。だが、のらでも色んな所でエサを貰って、それぞれの場所で違う名前をつけられて優雅に生きている奴もたまにいるから真偽の程は定かでない。自分も、屋根=「Roof」の連想で密かにルーファスと名付けたが(呼ぶ時はルフィとルウとか)、ネットで名前検索するとゲームの「ストリートファイターⅣ」に同名の人物がいて、そいつは“腹タプタプの肥満体・デブ、陽気な饒舌・リア充・・・”のようなキャラクターとあるから、まあ、イメージから遠くない。
十年前に愛猫に死なれて以来、猫を飼うことを止めにしているが、段々と子供たちが育ち上がってきて、それぞれが独立したら、もっと山奥に引っ込んで猫を飼って暮らしたいなどと最近、妻と話しているところ。ささやかな夢。それまでは「岩合光昭の世界ネコ歩き」と野良猫観察で我慢することにしているが・・・・何故だろう?どうしても時々、猫の爪を切りたくなる。
お嬢さん(お兄さんかな)、うろうろしてるとヘンな男に爪をきられますよ。
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