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ブルーにこんがらがって

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 双子なのでいわきに行くと時々弟と間違われる。なんとなくやり過ごすのだけど、先日、映画「君の名は。」を見た時、はたと思い立って慄然とした。それらの人たち、実は間違えたんじゃなくて本当に僕自身に何かを伝えようとしていた人たちなんじゃないかと?思って。

 そして映画を見終わってしばらくたって脳内に流れたのはジョン・レノンの「リメンバー」とディランの「ブルーにこんがらがって」。

 特に「ブルーにこんがらがって」だが、一頃ディランは大学で絵を学んでいて、同じ平面上にあらゆる時間を盛り込める絵画表現に感心し、歌でもこれができないか?と書いたのがこの曲とか。実際は不可能なのだが、その代わり物語は時系列に進まず、バラバラに分割して切り貼りされる。タランティーノの「パルプフィクション」やイニャリトゥの「バードマン」のようなあれ。それと「君の名は。」。そう言えばディランは自伝もこの手法で書いている。

 現在、スェーデンアカデミーが彼に連絡が取れなくて困っているらしいが、理由が“違う時空に行っていたから”だったら可笑しいな。

 「ブルーにこんがらがって」の“ブルー”って時間のことではないだろうか。あなたも、もし見知らぬ人に声をかけられたら、その人、未来のノーベル賞受賞者かもしれないですよ。

 写真は「ブルーにこんがらがって」が収録されている「血の轍(Blood on the tracks) 1975」の裏ジャケット。最初に聞く人には自分ならこれを勧める。

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