ブログ10年目。
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韓国人(特に若い人)が"パボノムヒョン(バカ盧武鉉)"と言う時は僕らには分からない親しみと哀惜の念が込められているらしい。貧しい農家に生まれ、高卒で、工事現場などで働きながら自力で司法試験に合格し、初めは金もうけ主義の、後に軍事政下で不当な暴力に苦しむ人々を助ける人権派弁護士へと生まれ変わり、ついには大統領まで上り詰めた人。そして多くの人に愛されながら悲劇的な最後(自死)を遂げた人。
昨日の夕刊に先週見た「湾生回家」の黄銘正監督のインタヴューが出ていたが、その隣に大好きなソン・ガンホのインタヴューもあり、読んで早速、今日、映画「弁護人」を見てきた。映画の主人公のモデルはその弁護士時代の若き盧武鉉。実際に起きた事件を材に取り、ただの男が国家権力と闘うに至る過程とそのラストを見て、自分は現在起きている朴槿恵退陣を求める100万人デモの核にあるものを見たような気がした。
http://www.huffingtonpost.jp/sungmin-kim/counsel-movie_b_13039290.html
残念だったのは本日は以前フォークシンガー中川五郎さんから教えて貰った本「九月、東京の路上で」の著者加藤直樹さんのトークショーがあったが満員で見る回が違ってしまい、その場にいるのに見れなかったこと。本当に残念。
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わが父方の一族は台湾からの引き上げで、いわゆる「湾生(わんせい)」。夏に族長的な伯父が亡くなったのを機にこの秋は、数年不義理をしてしまっていた伯母二人と再会したが、そこでも二人から聞かされたのはかつての台湾での暮らしのこと。小さい頃から亡き父から何度も聞いた話もあれば初めて聞く話もあった。
今日見た映画「湾生回家(わんせいかいか)」はこの「湾生」たち数人の人生を追ったドキュメンタリー。
http://www.wansei.com/index.html
本日が日本公開初日とあって台北駐日経済文化代表処・駐日代表や出演者の舞台挨拶などがあった。会場の年齢層は幅広く、上映途中、会場内は年齢問わずすすり泣く声が聞こえていた(僕も涙腺決壊)。そしてこの傑作を台湾と日本の若いスタッフが作り上げたことに先々への希望を感じた。
僕は先週末、伯父の遺品を整理していたら出てきたと言う古い写真をいわきの伯母から川崎の伯母へ渡すのを買って出たばかり。今度伯母にあったら住んでいたのは台湾のどのへんなのか、地図でも手に入れて詳しく聞いて来ようと思う。一度行かなければと思う。
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先週末、仙台ーいわき間の小旅行の帰路、北茨城・五浦の六角堂へ行った。何度も出かけている場所だが、2001年3月11日に津波で消失した後に復興された「新六角堂」を近くで見るのは初めてだった。新しい六角堂は復興時の調査で明らかになったことが盛り込まれていて良かった。遺跡の発掘現場では場合により「壊さなければ分からないよ。。」という言い方をする事があるが、文化財が被災した際、平時だったら決して知り得ないことが分かることがある。熊本城の石垣しかり、この六角堂しかり。新生六角堂は被災の記憶も含めた新たな遺産となっていた。
天心自筆の棟札には「六角堂観瀾亭」と明記されており、「瀾」とは「波」で、それは「波を見るあずまや」との意味だとか。“天心は波に永遠性と絶え間ない変化を同時に認め、宇宙の本質と考えていた”と、現地の案内板にあった。建設時の「円筒法」でつくられたガラスは屈折が生じ、ガラス越しの景色が曲がって見えるのだが、新六角堂にもそれが使われていて凪いだ海でも波が生じているような効果が楽しめる。写真で分かるだろうか。
周辺は震災前よりも様々に整備されていて他にも見どころはたくさんあるようだったが、時間が無くて見れなかった。今までも何度も来た場所だが、これからも何度も来ようと思った。
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