新六角堂のガラス
先週末、仙台ーいわき間の小旅行の帰路、北茨城・五浦の六角堂へ行った。何度も出かけている場所だが、2001年3月11日に津波で消失した後に復興された「新六角堂」を近くで見るのは初めてだった。新しい六角堂は復興時の調査で明らかになったことが盛り込まれていて良かった。遺跡の発掘現場では場合により「壊さなければ分からないよ。。」という言い方をする事があるが、文化財が被災した際、平時だったら決して知り得ないことが分かることがある。熊本城の石垣しかり、この六角堂しかり。新生六角堂は被災の記憶も含めた新たな遺産となっていた。
天心自筆の棟札には「六角堂観瀾亭」と明記されており、「瀾」とは「波」で、それは「波を見るあずまや」との意味だとか。“天心は波に永遠性と絶え間ない変化を同時に認め、宇宙の本質と考えていた”と、現地の案内板にあった。建設時の「円筒法」でつくられたガラスは屈折が生じ、ガラス越しの景色が曲がって見えるのだが、新六角堂にもそれが使われていて凪いだ海でも波が生じているような効果が楽しめる。写真で分かるだろうか。
周辺は震災前よりも様々に整備されていて他にも見どころはたくさんあるようだったが、時間が無くて見れなかった。今までも何度も来た場所だが、これからも何度も来ようと思った。
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