31度目の歌舞伎 「あらしのよるに」
十二月大歌舞伎・第1部「あらしのよるに」を見た。ちゃんと歌舞伎になっていることに驚く。自分はずっとこの物語の最終話は「ふぶきのあした」で良いと思っていたが(自分が見たNHK「母と子のテレビ絵本」放送時(2003年)にはまだこれが最終話だった)、今日、初めてその後の話、「まんげつのよるに」があって良かったと思った。でなければこういう歌舞伎にならなかったろうから。がぶ=獅童、めい=松也、ぎろ=中車ほか。
狼と山羊の禁断の友情物語。許されない愛を生きる男女、民族や宗教の壁を越えて生きようとする人々・・・様々な状況を重ねて見ることが出来るが、内向化、非寛容化が進む今を顧みてテーマはとても現代的だ。そして、ちょっと近松っぽく感じらる部分もあってそれは発見だった。きっと何度も再演され、その度、改良、改変がされ歌舞伎の演目としても定番ということになっていくのだろうと思う。ところで上記のテレビ放送時、がぶの声=中村獅童ばかり記憶に残っていたが、めいの声は成宮寛貴!だったんだよなぁ。
笑えて、泣けて良い芝居。また見たい。ぎろ役の中車も怖くてしびれました。写真は歌舞伎座下、東銀座駅・木挽町広場の売り場に飾られたがぶの手ぬぐい。留学中の娘に贈るのに買った。
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