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イグアナ 이구아나

 詩人・茨木のり子の著書『ハングルへの旅』の中で、詩人が韓国をバスで旅行中、子供に時間を聞かれて「試されている・・」と勝手に緊張してしまった、という件が確かあった。

 日本語の数の数え方に1(イチ)、2(ニ)、3(サン)・・・という数え方と、一つ、二つ、三つ・・・という数え方があるように、韓国語にも1  일/イル、2  이/イ、3  삼/サム、4  사/サ、5  오/オ、6  육/ユク、7  칠/チル、8  팔/パル、9  구/ク、10 십/シプと数える漢字語数詞と、1 하나/ハナ、2 둘/トゥル、3 셋/セッ、 4 넷/ネッ、5  다섯/タソッ、6 여섯/ヨソッ、7 일곱/イルゴプ、8  여덟/ヨドル、9 아홉/アホプ、10 열/ヨル、と数える固有語数詞とがあって、使い方が時々に違うので確かに日本人には難しい。

 例えば時間だが、~時の部分は固有語数詞だが、~分の部分は漢字語数詞でなければならない。韓国語に興味を持って始めて見ようという方がいても、意外とこの数のところで挫折してしまう人は案外多いのではないだろうか?自分にも難しかったし、今も難しい

 結局は慣れるしかないのだが、最近、YouTubeを見ていて良い曲を見つけた。韓国のロッカー、カンサネと、ロックバンド、ヒョゴのコラボ、『イグアナ 이구아나』と言う曲。この動画はハングルの字幕が出るので、それを紙に書きとってネットの自動翻訳機にぶち込み、大体の内容を知るという涙ぐましいことをしていたが、後半部はこの数字を使った言葉遊びのようになっている(多分)。

 

 9は구/ク、なので 頭に指示詞の이(イ) これ・この、を付けて数えて、最後が「イグアナ」になるというオチ。作詞作曲はカンサネ。面白い。韓国の音楽というとCD屋ではいわゆるKポップと言われるやたら美脚の女の子やイケメン男子が集団で歌うものしか見かけないが、カンサネやヒョゴのようなロックは一体何処で買えるのだろう?

 因みに現在、日曜日の午後、時間はタソッシ、シプチルプン、です。

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ぼくが出会ったサイト

 十月に予定されている或るイヴェントに文章を頼まれて、その主催者から資料代わりにと紹介されたサイトをここのところずうっと読み耽っていた。

 そのサイトとはフォークシンガー三浦久さんの「ぼくが出逢った歌 ぼくが出逢った人」というもの。

http://www.nagano.net/journal/miura/

ウェブ・マガジン長野ジャーナルで1996年から2005年まで連載されていたもので、1960年代にアメリカに留学していた氏の青春記。前半がアメリカ編で後半が日本編。三浦さんの名前はボブ・ディランやレナード・コーエン、ブルース・スプリングスティーン等々の歌詞の翻訳と数冊のディランの研究書の著者として知っていたが、その人となりは不覚にも全く知らなかった。

エッセイは1から97まであって、一つ一つに歌や詩の題名が記されている。第一話はボブ・ディランの「風に吹かれて」で最終話はニール・ヤングの「ハートオブゴールド」。

 1965年生まれの自分の世代だと、例えば、佐野元春の「サムデイ」を初めて聞いたのは・・とか、RCサクセションの「トランジスタラジオ」は、あの時・・なんて思い出が誰にでもあると思うのだが、三浦さんの場合はそれが「風に吹かれて」や「八ッテイ・キャロルの淋しい死」や「スザンヌ」や「サウンドオブサイレンス」や「ア デイ インザ ライフ」だったりする。そして二人のケネディとキング牧師の暗殺があり、ヴェトナム反戦運動があり、ヒッピームーブメントがあり・・・と、時代は正に激動の真っ只中で、自分は数日、まるであの時代のタイムカプセルを予期せずに開けてしまったかのように、のめり込んで読んでしまった。

 紹介したいエピソード、目からウロコの話が満載だが、感動したのは別のところ。それは氏が友人、知人、有名人、また一期一会の人も含め、登場するそれぞれの人々を、まるで一曲の歌を歌うかのように語っているところ、その声。友部正人の「ロックンロール」と言う歌の歌詞に“ぼくが出逢った人が僕の歌なのかもしれない”というヴァースがあるが、このエッセイは本当にそうだ。そして「歌」は古い友人のように語られる。あまりに面白くて「書籍化はされていないのだろうか?」と思ったら、前半のアメリカ編が『追憶の60年代カルフォルニア』(平凡社)として出版されているとのこと。でも自分には日本編もすごく面白かった。

 内容はもう読んで頂く他ないのだが、最後に一つだけ音楽以外の話で紹介したいのが、文中、英語の教師でもあった氏が提唱するその勉強法。「シュリーマン方式」と言っているが、それは生涯で22か国語を完璧な話せたという考古学者シュリーマンがとったもので、このエッセイの第23話「エリナリグビー」の回に書かれてある(マクロバイオティックの提唱者・桜沢如一も同じ方法だと、後の回でも書かれている)。自分も韓国語の勉強を始めて3年目になるが、行き詰まりを感じていたところなので、早速、この方法を採用させて頂くことにした。

 氏は現在、信州長野で「オーリアッド」というライブハウス&コーヒーハウスをやっているようで一度行ってみたいと思った。そして十月が楽しみ。

 

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“翼”くんから返礼

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 重慶で逢った若いカザフスタン人の友人二人に印鑑を送ったらお礼の返事が来た。元々は訪中の際にお土産は何が良いか考えた末のもので、思いついたのはそれぞれの名前を漢字で当て字して印鑑を作り贈ろうというもの。

 ただ娘のルームメイトの女性の名はキレイに決まったものの、後の二人はヘンテコな当て字にならざる得なく、結局、現地で会って当人たちに希望を聞いてから作ろうということにした。で、そうしたところ、一人はカザフ語で“月の光”を意味する名で、もう一人はカザフ語で“翼”を意味する名だとか。それで“月の光”くんのカザフ語は音的に少し長いのでカタカナにすることになって、“翼”くんは文字通り“翼”一文字にすることにした。

 一昨日、二人からSkypeで直接お礼を言われたが、娘のSNSを転送する形でさらにメッセージをくれたのは“翼”くんの方。重慶の西南大学周辺をバイクに僕を乗せノーヘルでぶっ飛ばしてくれた彼だ。メッセージに添えられた写真を見ると、“剣”という文字が大きく書かれていて彼らしいと思った。

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 重慶では彼らにハラール料理(イスラムの戒律に基ずく料理)でもてなされたが、その席で“翼”くんが見せてくれたのは『武藝』と題された本(写真)。宮本武蔵の『五輪の書』と柳生宗矩の『兵法家伝書』が一冊になっている。高校の頃からの愛読書なのだとか。へぇー。

 荷物が届いた6月1日は偶然にも中国では『こどもの日』に当たるらしく、その日は親が子ども贈り物をする習慣があるらしい。彼のメッセージに「子供の日に贈り物をもらった」とあった。で、今、妻と二人、子供が増えた気分でいる。彼はドンブラ(カザフスタンの二弦の楽器)の名手だとか。いつか聞けたらと思う。 

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