豆花(ドウファ)
初めてなのに
見覚えのある空が広がっていた
見覚えのある笑顔
花 ざわめき
〈空に吸われし 天燈の群れ 〉
ことばを知らないから
幼児に戻り
故に 目もまた
幼児の目になる
市場の
色が
味が
匂いが
音が
一斉に語りかけてくる 君は誰だ?
階段で
居眠りする犬
水彩の
濡れた海が見える旅の茶屋で
口中に
甘い原色の花が咲く
懐かしいのに
見知らぬ空が広がっていた
その暮れ色と
煙の匂い
と
口中に咲く
甘い甘い豆花(ドウファ)
2018. 1.3 台湾 九份にて。
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