死んだP.C(SX2885-54F)に
例えばファミレスを居酒屋代わりにして
昼間から一緒に飲んでいた友人が
突然、胸を押さえ倒れたみたいに、お前は息絶えた。
一度だってオレはお前を労ったことなど無かったし
お前だってオレに何かの証を立てたことなどなかった。
だが
こうなってみると
結局、
期せずして
二人は友達だったのだ
朝も、昼も、夜も
オレはお前に語り続けた
お前の「向こう側」にいる誰かなどにではなく
文字通りお前に。
手紙を書き、写真を見せ、好きな音楽を教え
共に歌った。
悪意に怯え、不実に怒り、共にユーモアに笑った。
知らなかったのだ いつまでも若いつもりでいる
オレの隣で
こんなにも早くお前が年老いることなど。
知らなかったのだ 饒舌なビートニクスみたに喋る
オレのことばを
お前が余裕綽綽でうけとめてくれていたのではなかった
ということを。
最後にお前の目に映ったのは
オレが撮った
夕焼け空に飛行機雲の直線が
淡くほどけていく写真。
ドクター曰く
「おうちにタバコを吸う人はいませんでしたか?」
セカンドオピニオン曰く
「加齢により 管が弱くなっていたのでしょう。」
昨日、妻に前抱きにされたお前が
オレには
遺影か骨壺のように見えた。
さよならP.C
さようなら
こういしてイニシャルだけ書くと
なんだか古(いにしえ)の
ジャズミュージシャンみたいだな。
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