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武相荘(ぶあいそう)に行った。

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 昨日、東京町田市にある旧白洲邸、武相荘(ぶあいそう)に行った。現在では開発が進み周囲は開けているものの、かつては人里離れた農村だった風情を今に残す良い場所だった。なにより些細なところに会ったこともない白洲次郎・正子夫婦の気配が感じられるようで良かった。邸はアメリカとの開戦時、敗戦を予見した氏が古い農家を買い取り改築したもの。今はミュージアムになっていてレストラン、カフェもある。

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 ミュージアムには様々な展示があったが中でも
1951年9月7日、吉田茂が行ったサンフランシスコ平和条約受諾演説の原稿を興味深く見た。初めそれは外務省とGHQが作成し「占領が良かったおかげ」のように米国に媚びる内容でしかも英文だったのを、一見し激怒した次郎が急遽、自らの手で日本語で書き直したもので巻物風。アメリカ記者からは「トイレットペーパー」、日本の新聞でも「不思議な勧進帳」と紹介されたそれに、氏の生きざまの一端を見る思いがした。比較するのは全くヘンだがケルアックの「オン・ザ・ロード」の原稿と言いこれと言い、ある熱情を持って文章を書こうとすると皆この形になるのか、という感想を持った。

 昨日はやっと少し涼しくなったと思っていたところ少し湿度があったせいか邸の周囲には蚊が出て、喫煙所のベンチところには"ご自由に"とキンカンが2本置いてあった。そんな気使いにも感じ入った。

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