映画『The Kids Are Alright』を青梅のシネマネコで見た
連休二日目。
The Whoのドキュメンタリー映画『The Kids Are Alright』を青梅のシネマネコで見た。
この連休中に何処かで見ようと思っていて、当初はアップリンク吉祥寺で見ようと思っていたが時間が18時50分くらいからと始まりが遅い。もっと早い昼間の時間からやっているところはないかしらと調べたらなんと青梅でやっているではないか。青梅はこっち側だし(東京の田舎という意)緑が多いし、人が多そうな都心に行くより気が楽だ。それで少し早めに家を出て電車で青梅に行く。中央線で立川へ行ってそこから青梅線。車では何度も出かけているがこうすると気分も小さな旅。
The Whoの映画『The Kids Are Alright』と言うともはやロックムービーの古典と言っても良いのだが、なんと日本では初劇場公開である。昔、中学生の頃、初めて雑誌『ミュージックライフ』を買った時、雑誌の真ん中くらいにこの映画のサウンドトラックアルバムの見開き広告が載っていた
"俺たちはパンクのゴッドファーザーだ"だか"俺たちは10年前からパンクだ"だか、そんな誰が言ったのか分からないキャッチコピーが付されていたような気がするが、何分そのセリフを含め記憶は曖昧だ。1978か79年頃。
自分はパンク全盛の頃なのにパンクを知らなくて、ただその広告にほだされて当時2枚組だったそのサウンドトラック盤を買ったのだった。ただし映画は未公開だったのだからサウンドトラック感は全然なくて、その時点でのバンドの魅力が網羅された、所謂、ベスト盤として長く聞いていた。
それから約40年。ようやく映画を見て分かったのが、この映画はThe Whoの歴史を追ったものではなく、一にもニにもバンドの魅力を伝えようとしたものであるということ。レコードで聞いていた時の印象は録音の古い昔の曲と当時の割と新しめの曲がごちゃごちゃな曲順になっている気がしていたが、良く分かった。だって映画がそうなんだもの。
ギターやドラムセットを破壊する例のパフォーマンスのシーンは凄かったが古く感じた。ああ、そう言う時代だったんだな、と言う感じ。なんだか凶暴なドリフターズのようにも見えた。
やはり素晴らしいのは音楽。いい音楽だけが時代を越えて生き残るのだなと当たり前の事を再認識した。The Whoの音楽はまだ新鮮な生もののように目の前でぴくぴく脈打っているような気がした。『ババ・オライリィ』でタンバリンを拳で叩き(殴り)続けるピート・タウンジェントは何ってカッコ良いのだろう。
映画は歌詞にも字幕が付いていてそれも良かった。文学作品の翻訳ではなく、レコードのライナーノーツの翻訳でもなく、映画翻訳の、しかも歌の歌詞って難しいだろうな、と思っていたら、パンフレットに今回の映画のセリフの部分も含めた翻訳全部が乗っていて思わず買ってしまった。今日は12日でネコの日ということで映画代が1200円と安かったからパンフレットも含めて丁度映画代(いや、パンフ900円だったから100円オーヴァーか)。
ところで12日だから"ネコの日"という意味が自分は未だ分からず。教えてください。シネマネコさん。↓はそのパンフから抜粋の『ババ・オライリィ』。
この大地で
汗を流し糧を得る
生きるのに必死さ
誰が何と言おうと
俺は間違っていない
許される必要もない
泣くな
見なくていい
10代の荒野にいるだけさ
サリー俺の手を取れ
一緒に南に向おう
火を消し 後ろを振り返らずに
今、脱出が始まる
気のいい奴らが待っている
力を合わせよう 年を取る前に
10代の荒野
不毛な大地にいるだけ
10代の荒野
不毛な大地にいるだけ
不毛なんだ
『ババ・オライリィ』By ピート・タウンジェント 福永詩乃訳。『気やすく近づいたら火傷しそうな爆発的エネルギーの翻訳』より抜粋。
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